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IPO推進経験が豊富なウェルスナビ・VPoEが語る、エンジニア組織の魅力と事業のポテンシャル

世界レベルで進行するインフレや中長期的なGDPの低減トレンドなどを踏まえ、政府は「資産所得倍増プラン」と称してNISA拡充をはじめ、資産形成を支援するための「貯蓄から投資へ」の積極的な政策などの展開を進めています。

「投資」と聞くと、ある程度まとまった金額が必要と考える方も多いかもしれませんが、昨今では小口での投資スキームも増えており、投資や資産運用を始めやすい土壌形成が進んでいます。

そんな中、ウェルスナビ株式会社(以下、ウェルスナビ)では「働く世代に豊かさを」というミッションのもと、日本の働く世代の豊かな老後に向けた資産形成をサポートしています。2020年12月に東証マザーズ(現グロース)へ上場した同社は、全自動でおまかせできる資産運用サービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」を提供しており、ユーザーは1万円※から資産運用を始められます。
※ご利用のサービスによって、最低投資額が異なります。

今回は、そんな同社の開発組織及び仕組みづくりを進める執行役員/VPoE(Vice President of Engineering)である和賀 勝彦氏に、ウェルスナビのエンジニアとして働くことの魅力や、組織としての中長期的な目標などについて、ざっくばらんにお話いただきました。

プロフィール

和賀 勝彦(わが かつひこ)
ウェルスナビ株式会社
執行役員/VPoE(Vice President of Engineering)
様々な分野のシステム構築運用および事業構築運営を経験した後、複数のSaaS企業にてCTO、VPoE、技術顧問を担い、複数社にてIPOを推進。
2022年8月より、ウェルスナビ株式会社所属。
執行役員 VPoEとしてプロダクト開発組織を統括し、採用広報の強化含めエンジニア採用、エンジニア人事評価設計・運用を推進。また、情報管理統括責任者を兼任し、WealthNaviサービスにおける開発運用保守全体の統括とIT統制全体を管理、CISO業務全般およびCIO業務全般を統括。

「攻めのCTO」と「守りのVPoE」でプロダクトを牽引

――まずはウェルスナビが提供するサービス「WealthNavi」について教えてください。

和賀:簡潔にお伝えすると、「長期・積立・分散」の資産運用を全自動で行うロボアドバイザーです。こちらは2016年7月に正式リリースしまして、2023年9月30日時点の運用者数は約38万人です。お預かりしている資産は2023年11月6日時点で9,500億円を突破し、もう少しで1兆円に迫るという状況です。

一般的な証券会社だと、一定水準の資産をお持ちの方がメインターゲットになるのですが、WealthNaviの場合は200万円ほどの資産の方が多い点が特徴と言えます。

現在、新NISAに全面対応する機能についても、来年1月のリリースに向けて鋭意開発中になります。

――リリースから7年弱で預かり資産が9,500億円突破って、ものすごい成長スピードですね! 「WealthNavi」は、どのような背景があって開発されたものなのでしょうか?

和賀:コアとなっているのは、代表である柴山の実体験にあります。創業の理由とも重なりますが、ある時、金融資産の大半を預金していた柴山のご両親(日本人)と、長年にわたって専門のアドバイザーの下で資産運用を続けてきた柴山の妻のご両親(アメリカ人)の退職後における資産額に10倍以上の差があることが分かり、日米の金融格差に愕然としたことから、「WealthNavi」の構想がスタートしました。ユーザーが安心して利用できる高品質の資産運用サービスを日本でも立ち上げることで、実体験にあったような金融資産の格差を是正できるという考えがあり、開発されました。

※プロダクト開発の経緯/歴史についてはこちらをご参照ください

――和賀さんはどのような役割を担っているのですか?

和賀:VPoE(Vice President of Engineering)として、ピープルマネジメントを中心にプロダクト開発組織を統括しています。新規機能開発についてはCTOが担当しておりますが、運用保守開発やシステムの仕様決めに関しては私も一定の権限を持たせていただいています。あとは情報管理統括責任者というロールで、情報セキュリティ統括含めたCIO(Chief Information Officer)やCISO(Chief Information Security Officer)のような役割も担っています。また、生成AIなどを活用するR&Dを行う組織も管掌範囲になっています。

私は2022年8月に入社したのですが、当時と今を比較すると会社全体の人数規模は1.5倍くらいになっていて、組織も急速に拡大しています。今は「WealthNavi」のみをご提供していますが、今後は個人の金融プラットフォームになるべく複数サービスの展開を考えています。サービスが増える分、エンジニア組織の最適化も進める必要があるということで、現在試行錯誤しているところです。

――CTOとVPoEの役割分担はどのようになっているのでしょうか?

和賀:CTOは主に新規の機能開発を進めるなど、技術全体の取りまとめを担っています。先ほどお伝えした「WealthNavi」以外のサービス開発も主にCTOが推進しており、いわゆる「攻めの部分」を担当していると言えます。

一方で私は、運用保守開発やエンジニア組織運営ということで、主に「守りの部分」を担当しています。エンジニアとデザイナーの採用に関して最終的な責任を持たせていただいており、人事評価制度についても、現在エンジニアに特化したものを別で構築するか全社に合わせるか、といったあたりを整理しているところです。

――これまでの和賀さんのご経歴を拝見するとCTOとしてのキャリアが多い印象ですが、ウェルスナビではVPoEということで、その理由も教えてください。

和賀:ここは自分から希望してというよりは、結果としてそうなった感じですね。ちょうど当時のCTOが退任するタイミングでお声がけいただいたのですが、私の業務的な相性を踏まえて、私はVPoEを拝命したという流れです。個人的には新しいことをやっていくのが好きなので志向的にはCTOなのですが、得意領域はピープルマネジメントということでVPoE向きなんです。好きと得意がちょっと違うということですね。

預かり資産が9,500億円を突破しても、まだ目標の20分の1も達成していない

――今まで様々な企業を経験された和賀さんから見て、ウェルスナビが他の企業と異なる点や魅力は何だと感じますか?

和賀:まず大前提として、事業としての面白みが大きいと感じています。老後2,000万円問題のような社会問題にアプローチしている点が魅力的だと感じますし、市場として考えてみても、成長の伸び代が他のBtoCビジネスよりも圧倒的に大きいと感じています。

――と言いますと?

和賀:日本における家計部門の金融資産は2021年9月末時点で約2,000兆円と言われているのですが、個人金融資産の内訳をみるとその半分以上は預貯金が占めています。一方アメリカでは、その数字は10数%まで落ち、代わりに株式・債権等が半分以上を占めています。日本がアメリカのような個人金融資産の内訳になると考えると、日本でも全体の約40%については、投資に対して、まだお金が動くポテンシャルがあると捉えています。

出典:OECD “Household financial assets”の各国の2019年末のデータよりウェルスナビが作成(2021年10月) (同社HPより

和賀:「WealthNavi」だけで考えてみても、20兆円分の市場規模をカバーできると考えているのですが、現在は9,500億円ということで、まだ20分の1も達成していないことになります。だからこそ、お客さまとのタッチポイントをより増やしていきたいと考えているところです。

――金額の規模感が桁違いですね…。

和賀:会社の魅力でお伝えすると、代表である柴山がこのプロダクトをすごく愛していて、作ることに関して、1ユーザーの目線で細かくアドバイスをしてくれる点も良いなと感じています。

ボードメンバーのコミット具合で言っても、例えばシステム障害などの事象があると、必ず経営メンバーとマネジメントメンバーが一堂に会して、事実確認含めた議論をするというインシデントフローが構築されています。そうすることで、迅速に意思決定できるようになっているわけです。

――お金を扱うということで1円でも間違いがあってはならないとはいえ、経営メンバー含めてすぐに集まるようになっているのは素晴らしいですね。あと、アプリを拝見すると、UIがすごくモダンな感じになっている印象を受けました。

和賀:先ほどのインシデントフローもそうなのですが、我々が掲げるバリューの中に「誠実に、正直に、お客さまのために」というものがありまして、これに沿ってUIも設計しています。お客さまのことを考えて、不要なものを断捨離して、見やすく無駄のないUIをお届けしたい。そのような考えが根幹にあります。

ウェルスナビが掲げる行動指針(同社採用ページより)

和賀:また会社全体の雰囲気としても、金融機関と聞いてイメージされるような堅苦しい雰囲気ではなく、ITベンチャーのようにオープンな感じなのも、働きやすさを感じるポイントだと思っています。

自社エンジニアの市場価値の向上を図りたい

――貴社のエンジニア組織についても教えてください。出身領域など、メンバーに属性的な特徴などはあるものでしょうか?

和賀:創業当初は金融系のSIer出身者が多かったのですが、現時点だと前職が金融系だったというエンジニアは2割くらいまで下がっていて、最近ではIT系のスタートアップやメガベンチャー出身者が増えてきています。AWSやZホールディングス、楽天、グリー、オプト、サイボウズ、それからコロプラなど、結構幅広いと思います。

得意領域は人それぞれで多様性があるのですが、みんな、チームでの連携を大切にしている点では一致していますね。スペシャリストでありつつ、1人でガツガツするのではなく、連携やコミュニケーションをしっかりと重ねながらチームで同じ方向を向いてプロジェクトを進めていると感じます。もちろん、選考でその点もチェックしています。

――金融以外の出身が増えてきたことで良かったことなどはありますか?

和賀:いくつかあるのですが、例えばメガベンチャーにいた人は、ある一定のルールがある中でずっと仕事をしてこられたので、「こういう制度はどうですか?」というような提案をしてくれることがあります。会社としては、このような新しい風が入りやすくなっている点で、制度面含めた整備がどんどん進むようになってきていると感じます

――エンジニア組織全体で考えた時に、いつ頃から変化が大きくなってきたと思われますか?

和賀:特に、この1年くらいですかね。昨年8月に私が入社した時は、様々な人がいくつものロールを兼務しているような状況だったのですが、入社してまずは役割の整理と分化を進めていきました。先ほどお伝えした通り、多種多様なバックグラウンドを持つメンバーが入社することも相まって役割を明確化できるようになりました。

――役割を分化していくと部分最適の面では良くなりますが、一方で全体最適の面では課題が出てくるという話をよく耳にします。そのあたりはどうされているのでしょうか?

和賀:そこに関しては、執行役員レベルのメンバーが個別の事項に関してある程度深く関与することで、部分最適にならないようにコントロールしています。具体的には、開発においては、開発組織で執行役員を務める者の間で合議制で決めるようにしています。

――なるほど。あと、カルチャー面はいかがでしょうか? 人数が増えるとカルチャーの維持も大変だと思うのですが。

和賀:実はもともとあったカルチャーは少し変えるべき部分があったので、開発組織横断チームであるAMO(Accelerate Manufacturing Organization)を事務局として、良いところは残しながら改善を進めています。具体的な施策でお伝えすると、「WealthNavi Win Session」と呼ばれる成果発表会を月に1回実施してお互いを讃え合ったり、LT大会を実施したり、また四半期に一回くらいの頻度で社内ハッカソンをやったりしています。あと、社外に対しての発信やハッカソンなどへの参加も推進しています。

同社オフィスで開催した「WeatlhNavi Tech Talk」懇親会の様子

――社外向けの活動を増やすのはなぜでしょうか?

和賀:弊社に所属するエンジニアの市場価値の向上を図っていきたいとの思いからです。社外での発信を通じた認知は一種のポータブルスキルになると思うので、例え弊社を辞めたとしても、「ウェルスナビのエンジニアなんだ」という感じで一定の評価をしてもらえるような会社にしたいと考えています。

――なるほど。ちなみに、上場前後の求人応募メンバーを考えてみると、一般的には上場前の応募メンバーよりも上場後の応募メンバーの方が、より「安定」を意識する方が多くなる印象もあります。一方で貴社では、これからもチャレンジングなことをされようとしているわけで、そのあたりのギャップはどのように埋めていらっしゃるのでしょうか?

和賀:たしかに上場後の応募メンバーの中には「事業を軌道に乗せていきたい」という人もいるし、安定して働きたいという人もいます。一方で、弊社が完全に安定しきっているというわけではありませんので、安定を志向している方に対しては「安定を自ら作っていく面白さがある」とお伝えしています。会社としてより安定した企業体になりたいという方に対して、新しく組織やルールを作っていくことは、実は相当チャレンジングなところなのかなと考えています。

お互いをリスペクトしつつ、主張すべきところはしっかりと主張する組織を目指す

――和賀さん自身がウェルスナビへのご入社を選択されたのは、何故なのでしょうか?

和賀:冒頭でお伝えした通り、事業として大きなポテンシャルがあるという点と、あとは上場企業をさらに加速させるフェーズをやりたいと思っていたからです。これまで技術側の経営の立ち位置でIPOを推進するところは何度もやってきましたが、IPO後の様々な制限がある中で成長させることは、経験していなかったので。

――上場企業をさらに加速させるフェーズということで、今後、組織としてどのような組織を目指していきたいと考えていますか?

和賀:現在は「WealthNavi」の開発に特化しているので、いかに複数のプロダクトを開発できるようにするかが目下の課題だと捉えています。インフラや品質保証の部分は共通基盤として持てるとは思うのですが、それ以外の部分については各領域のドメイン知識などが必要になると思うので、そこに対する豊富な知見を持つ方々に入ってもらってどのように活躍していただくか、という部分を日々考えています。

――ちなみに、具体的にどのようなサービスの構築を予定されているのでしょうか?

和賀:詳細はお伝えできないのですが、現在ロボアドバイザーが担っている資産運用のところ以外にも、お金に関する一連のタッチポイントをカバーするようなプラットフォームを作りたいと考えています。そのためにも、お金に関する多様な知見をもつエンジニアが必要になります。

――なるほど。

和賀:あと、これまで当社の開発は基本的に全て内製だったのですが、今後はある程度を外に出せるようにしたいとも考えています。もちろんベンダーロックインは避けたいので、しっかりと発注者能力のある状態で動かしていくこと前提で。事業の展開スピードを上げるためにも、例えばオフショア開発なども検討しています。

いずれにしても、金融関連企業として守らなければいけない部分を守りつつ、スタートアップの文化がミックスしたような新しいカルチャーを作り出していきたいなと考えています。

――今後、どのようなエンジニアメンバーにジョインしてもらいたいですか?

和賀:自分の領域に留まって仕事をするのではなく、より多くの人を巻き込みながら物事を進めることのできる方に、ぜひジョインしていただきたいと思っています。

ちなみに、来年からは新卒が入社予定です。バリューの中に「助け合おう、向き合おう」とあるように、お互いをリスペクトしながらも、主張すべきところはしっかりと主張していくような、バランスの取れた組織にしていきたいと思っています。

――メンバーのやりたいことに対する実現性としてはいかがでしょうか?

和賀:そこはもう、積極的にやりたいことや改善すべきところは言ってほしいと伝えています。もちろん自分たちで決める以上は結果に対するコミットも必要ですし、最終的には先ほどお伝えした私を含めた合議制で最終的なジャッジをすることにはなりますが、技術に関しては基本的に現場判断を尊重しています。インフラ周りだと、結構新しいことにトライしていますね。

――ありがとうございます。それでは最後に、読者の皆さまに対して一言メッセージをお願いします。

和賀:ロボアドバイザーについては、今後他の会社もチャレンジしてくる領域かなと思っているのですが、現時点においては2番手に大きな溝を作って堂々のトップシェア※を誇っています。なので入社されたら、その先行者利益や規模の大きさを感じてもらえるのではないかと考えています。目指すところが大きく、実際にまだまだ成長の伸び代があると思っているので、資産運用や投資などの世界を変えようとするゲームチェンジャーとして一緒にチャレンジしてくれる方はぜひエントリーしてください!

※一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2023年3月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 ウエルスアドバイザー社調べ(2023年6月時点)

ウェルスナビ株式会社(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2884号・加入協会/日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会)
・金融商品等の取引に関するリスクと費用はこちら:https://www.wealthnavi.com/rule/01.html

編集後記

これまで様々なFintechサービスを見てきましたが、やはり資産運用関連のサービスの事業的なポテンシャルは計り知れないと感じました。政府の後押しもあって投資への機運が高まる中、多くのユーザーが頼りにすることが想定されるサービスの開発に関わることができるのは、非常にレアな機会だと思います。影響力の大きなサービスに携わりたい、と考えているエンジニアの方は、ぜひお話を聞いてみてはいかがでしょうか。

取材/文:長岡 武司
撮影:法本 瞳

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