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新卒ソフトウェア人財に聞きました!日立製作所に新卒で入社することの意外な「リアル」

会社に就職・転職をする際、重視するポイントは人によって異なります。ある人にとっては自身が成長できる環境や開発環境が、またある人にとってはワークライフバランスの取れた就業環境が重要なポイントとなるでしょう。
では、実際にどこまで「リアルな職場環境」を、入社前に見たり知ったりすることができているでしょうか。

最近ではカジュアル面談やトライアル雇用などの仕組みを導入する企業が増えていますが、まだまだカルチャーフィット等、想定していたものと違うという声は多いものです。

今回は、ソフトウェア人財として日立製作所に新卒入社したメンバーの「リアルな声」を聞いてきました。なぜ日立に入ったのか、学生時代のどのような経験が実際の業務に活きているのか。また、研修制度などメンバーの育成はどのように設計されているのか。キャリア20年以上のマネジメントメンバーと、入社6年目としてプロダクト開発等を進めるメンバーのおふたりに、お話を伺いました。

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プロフィール

佐藤 元(さとう はじめ)
株式会社日立製作所
サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 基盤ソフトウェア開発本部 ストレージアーキテクチャ設計部セキュリティ設計第1G
2001年4月、日立製作所に新卒入社。学生時代は電気工学を専攻しつつ、ロボットの環境認識に関する研究を進める。入社後はミッドレンジのストレージ開発を担当し、4年目からは同じ製品のセキュリティ関連の開発を担当。途中、米国の子会社に出向して日本サイドとの窓口等を担当。帰国後はエンタープライズチームとして、主にセキュリティ関連の開発・事業展開に従事する。現在は、ストレージ開発のマネジメントや現行製品におけるセキュリティ対応等を担当している。

 

奥谷 遼(おくたにりょう)
株式会社日立製作所
サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 基盤ソフトウェア開発本部 ストレージアーキテクチャ設計部セキュリティ設計第1G
2016年4月、日立製作所に新卒入社。学生時代は制御情報工学科にてプログラミング等を学びつつ、複数のプログラミングコンテストに参加するなど、コーディングスキルを磨く。入社後は、まずはストレージの運用管理ソフトの設計開発に従事した後、3年目からはセキュリティの技術開発や脆弱性診断、案件マネジメントを担当。2021年からは日立システムズのグループ会社である株式会社セキュアブレインに出向し、脆弱性診断サービスや新規サービスの技術開発に従事している。

 

インターネットが急速に普及した頃に日立に新卒入社

――まずはおふたりのこれまでのキャリアについて教えてください。まずは佐藤さんからお願いします。

佐藤 : 2001年に日立に入社して、最初はミッドレンジのストレージ製品の開発に携わっていました。具体的には、組み込み製品のファームウェア開発の担当ですね。

その頃はちょうどインターネットが急速に普及した頃で、「遊びで使っていたもの」が結果として仕事に活かせているという感じでした。

――大学ではどんな研究をされていたのでしょうか?

佐藤 : システム工学という分野で、今で言うところのLiDAR(ライダー)のような、レーザーを使っての距離計測や3Dマッピングなど、主にロボットの環境認識に関する研究を行っていました。

個人的には組み込み製品の開発をやりたいと思いつつも、新しいものに関わりたい気持ちも強かったので、当時は日立で行っていたハードディスクドライブの開発に携わりたいと考えていました。

配属は組み込み製品の開発ではあったのですが、ストレージ製品のファームウェアということで、100%自分が希望したところではなかったというのが入社当初の話です。

――現在は主にセキュリティ領域に携わっていらっしゃると思いますが、どのタイミングからそちらにキャリアチェンジされたのでしょうか?

佐藤 : 4年目でセキュリティ関連の開発担当になり、そこからずっとセキュリティ畑にいます。当時は、監査ログを出力する機能を開発したり、RBAC(ロールベースアクセスコントロール)によるストレージ機器へのアクセス制御機能の実装などを担当していました。

その後、アメリカの子会社に出向して日本との連携に携わり、帰国してからは現在のエンタープライズのチームを担当しています。海外での経験は「広い世界でビジネスを見られる」という観点でとても貴重なものでした。

上流から下流までできる点に魅力を感じて日立に新卒入社

――奥谷さんも、これまでのご経歴について教えてください。

奥谷 : 学生時代は高専の制御情報工学科でプログラミング等を学んでいました。課外活動としてはプログラミングのサークルに所属して、プログラミングコンテスト参加などの活動を行っていました。

また、そのサークル経由で大学院の画像処理の研究をやっている研究室とご縁ができて、研究成果をプロダクトに組み込むというプロジェクトに参画させていただきました。インターフェース部分の開発を担当していたのですが、学校での研究や国際会議への論文発表と並行して、5〜6年はプロジェクトに参画していたと思います。

――日立には、どのようなきっかけで入社されたのでしょうか?

奥谷 : 主に「最先端技術の設計開発ができること」と「グローバルに活躍できるフィールドがあること」の2軸で就職活動を行いました。特に前者については、自分の開発スキルや研究スキルが仕事に活かせるのかが心配で何社か実際に働いている方にお話を伺いました。

その中で、日立の社員さんにお話を伺った際に「大丈夫! 機会はあるし、コーディングできる部署が日立内にもある」と自信満々に回答していただいたのが印象的でした。また、その方がソフト開発をする部署に所属している人だったので、具体的なイメージがつかめましたし、上流だけでなく下流も含めて「できる」と明確におっしゃっていたので、日立への入社を決めました。

プログラミング以外の要素でも、「社会イノベーション事業」のコンセプトが、自身のプロダクト開発で得た経験や自分の目指すエンジニア像とマッチしていた、などという点も日立に決めた理由です。

――なるほど。入社後はどんなことをされてきたのでしょうか?

奥谷 : 最初からセキュリティをやっていたわけではなく、ストレージの運用管理ソフトの設計開発に2年間従事していました。3年目以降から、セキュリティの技術開発や脆弱性診断、案件マネジメントを担当するようになりました。

――それは奥谷さんの「希望」としての配属だったのでしょうか?

奥谷 : セキュリティの分野と明示的に希望していたわけではなく、「最先端の技術に触れられる場所にいたい。」という話を面談でしていました。そうしたら少し後に、セキュリティチームへの異動の話が来たというわけです。

マネジメントこそ、技術を深く理解している必要がある

――セキュリティ領域を扱うのはその時が初めてだったと思うのですが、どのように技術を習得されていったのですか?

奥谷 : 基本的には、仕事をしながら学んでいきました。当時はTLS(Transport Layer Security)に関する内容だったので、実際にRFC(IETFによるインターネットの標準規格)を読みこむなどして通信暗号化の知識をつけ、ストレージの技術開発に関わっていきました。
また、日立は研修制度も充実していて、「こういうスキルを身につけたい」と言えば、外部の講座を受講できるチャンスがあります。私はそれで、セキュリティの脆弱性診断の研修を受けました。もちろん、自分から上長に掛け合う必要がありますが、必要性と熱意があれば何かしらの形で叶えてくれると思います。

――日立アカデミーをはじめ、内部の研修制度が充実しているのは存じていますが、外部もある程度自由に申請ができるんですね!

佐藤 : 昔から、業務から大きく外れていなければ学べる機会は非常に多いと感じています。私も最近、外部の研修を利用し「CISSP」(国際的に認められた情報セキュリティ・プロフェッショナル認定資格)の資格を取得しました。

――なるほど。新しいプログラミング言語の習得などにも良さそうですね。

佐藤 : そうですね。私の入社前は、日立は「家電の会社」「堅い」というイメージを持っていましたが、安全性や安定性を担保した形で実装できるのであれば、新しい言語を使用することもあります。例えば、Go言語を製品開発に採用している部署もあります。

奥谷 : TypeScriptを使っている部署もありますね。思った以上にモダンな言語やフレームワークを使って開発をしている部署があることに、入社してびっくりした記憶があります。

――これまでも多くの日立の方にお話を伺っているのですが、佐藤さんのようなマネジメントポジションであっても、新しい技術のキャッチアップを積極的にされる文化があると感じます。その辺りはいかがでしょうか?

佐藤 : おっしゃるとおり、マネジメントに付随して技術も求められますね。例えば海外のプロダクトマネージャーと会話をすると「技術を理解していないと信用してもらえない」と、以前アメリカの会社に出向していた時に実感しました。なので、マネジメントと技術のバランスをもって取り組むことを意識しています。
特に私たちが所属する部署は、研究所出身のメンバーが多いので、技術に対するスタンスがしっかりしている印象です。

奥谷 : もちろん、技術を極めたい人には、その道のエキスパートとしてのキャリアも用意されています。僕も今後のキャリアの方向性については、佐藤さんにしばしば相談しています。

――実際、奥谷さんのキャリアの半分以上をご一緒されている佐藤さんからは、奥谷さんの成長をどのように見ていますか?

佐藤 : 本人を前にして、なかなか難しい質問ですね(笑) 簡単な仕事ばかりだとなかなか成長はしづらいと思うので、ある程度「タフな仕事」をやってもらっていますね。

奥谷 : たしかに、佐藤さんからアサインされるタスクは絶妙にタフです(笑)

佐藤 : 奥谷さんに限りませんが、開発プロジェクトのマネジメントをすると一番伸びるのかなとは思っています。周囲をマネジメントするためには、まずは自分自身をマネジメントしなければいけませんので。

学生の頃の「勉強の仕方」が大事だなと感じる

――就職活動をするとき、学生時代の経験について聞かれることが多いと思います。実際のところ、学生時代の経験って、どこまで仕事に活かせていますか?

奥谷 : 私の場合、学生時代は主に画像関連技術をやっていたので、今とは全く違う分野です。しかし、研究活動で培ったメタなスキルと言いますか、先行研究を調査したり、技術のトレンドを調査・報告したり、必要であればプロダクトにそれを実装したり。そういったスキルはかなり活かせているなと感じます。

――いわゆるポータブルスキルとして習得されたものですね。

奥谷 : そうですね。一連の仕事のプロセスの中でも、特に「調査」に一番活きている気がします。私の場合、RFCや学術論文などを読む機会が多いので、学生時代に培った学術論文の読み方やテクニカルライティングのようなスキルセットを存分に活かせていますね。

佐藤 : そう考えると、学んだ内容というよりも「勉強の仕方」が大事だなと思いますね。

――と言いますと?

佐藤 : エンジニアはずっと勉強の人生なので、興味があるところに触れて、それに対して自分で情報集めて勉強するということの繰り返しになります。もちろん、仕事じゃなくてもいいと思っていて、興味を持ったものを突き詰めていって、しっかりと一次情報を探して調べていく力が、すごく大事だと思います。

――なるほど。働き方についても教えていただきたいのですが、働きやすさという観点ではいかがでしょうか?

奥谷 : リモートワークはとてもいいですね。私たちの部署や周りの部署は、コロナが流行り始めた早い段階から実際に導入してきた方だと思います。

佐藤 : 部署や新型コロナ感染者数の状況にもよりますが、今日は1割くらいしかオフィスに来ていない印象ですね。コロナ前は100%出勤だったのですが、今は比較的自由になっています。ブレインストーミングだとホワイトボードを使った方が早く、仕様書を書くのであれば自宅の方が圧倒的に集中できる。チーム単位で組み合わせ方を自由にデザインできる環境だと思います。うちのチームはハードの製品も扱っているので出社率はまだ多い方だと思いますが、アプリケーションの開発チームのリモート率は高いと感じます。

奥谷 : また、福利厚生が最近変わりまして、「ワークスタイル支援ポイント」というものが新設されました。これは、自分のワークスタイルをより良いものにするために毎年補助が出るというもので、在宅勤務時に自宅で使用する椅子やモニターなど、様々な用途で使えそうです。こういう支援は純粋にありがたいですね。従業員の働きやすさのための試行錯誤を行おうという会社の意思を感じています。

――勤務時間はいかがでしょうか?

奥谷 : 1年目までは始業から退勤の勤務時間枠は固定でしたが、2年目以降はフレックスタイムで仕事ができます。今は、コアタイムがなく、1日の最低勤務時間だけを満たしておけば良いです。来年の1月からは最低勤務時間が廃止されるので、個々の事情に合わせてよりフレキシブルに対応できる働き方が実現してきたと思います。

――要するにフルフレックスということですよね。どんどん自由度が増していますね!

佐藤 : もちろん、日々チームで会話をしているので、チームメンバーとの円滑なコミュニケーションが前提での自由ではあります。スケジュールに普通に私用が入っている人もいるので、まあ自由だなとは思いますね。

――おふたりの会話を伺っていると、いわゆる上下関係がないような印象です。チームや会社としても、このような雰囲気なのでしょうか?

奥谷 : 私はわりとフラットにコメントをする方かなとは思いますが、チームメンバーを見ても、おっしゃるような「いわゆる上下関係」というものは無いように感じますね。佐藤さんとのお付き合いは何年にもなるのですが、これはこうしたほうがセキュアだとか、こうしたほうがお客さまにとって良い機能が提供できるとか、など、様々なテーマに対してフラットにディスカッションをさせてもらっています。

佐藤 : 声は基本的に出しやすいと思います。役職が上位の人に改善のための提案を行うこともハードルなくできます。

奥谷 : そう考えると、「日立は堅いイメージ」というのは、少なくとも私たちの会社にはちょっと当てはまらないかもしれませんね。

求む、探究心がある人

――今後、日立製作所で実現したいことがあれば教えてください。

奥谷 : 就職活動の時に「最先端の技術を学べて製品に組み込み、グローバルに活躍できる」という志望動機で入社したわけですが、それはすでに実現できていて、自身がめざしていたエンジニア像にはある程度なれたかなと思っています。

次の段階としては、私自身が技術開発に携わったセキュリティの機能が決め手となってお客さまに選ばれる。そんなエンジニアになりたいなと思います。

――エンジニア冥利に尽きますね。

奥谷 : あと、「セキュリティのこの分野なら、奥谷に聞け」と、多くの人に頼ってもらえるような分野を増やすのも中長期的な目標ですね。

佐藤 : 私としては、引き続きお客さまに喜んでもらえるモノを作りたいですね。あと、今は部下や後輩もいるので、その人たちの名前が社内外にしっかりと知られる状態になってほしいとも思っています。そういう形を目標に育てていきたいですね。

――これから入社するメンバーとしては、どんな人に入ってもらいたいですか?

奥谷 : 新しい技術に積極的に飛び付ける人ですね。探究心がある人とも言えそうです。もちろん、英語力なども必要だと思いますが、まずはそこかなと個人的には思っています。

佐藤 : コミュニティの活動をしている人ですかね。とにかく、日立の中だけにとどまってほしくないなと。Qiitaなどでアウトプットをしている人はいいなと思います。

奥谷 : 勉強会に参加したり、もくもく会(主にプログラミングを勉強する目的で、複数人が集まって各自「黙々」と作業をするイベント)に参加したり。そういう行為に抵抗がない人がいいですね。

――最後に、読者の皆さまにメッセージをお願いします!

奥谷 : 私たち日立のプロダクトは、民間から官公庁まで、本当に様々なところで動いています。予算も影響力も大きなプロダクトを扱うことができるのは、日立ならではのポイントかなと思います。

佐藤 : 大きな会社なので、なんでもできると思います。社内でのFA制度や公募もたくさんあり、今後は海外の異動先もますます増えるのではないでしょうか。なので、何か実現したい大きなことがあるのであれば、日立で叶えるチャンスは多分にあると思いますよ!

編集後記

就業環境としての日立について色々と質問させてもらいましたが、取材後の印象として非常に働きやすそうだなと感じました。チームによって細かい内容の違いこそありますが、基本的には「従業員が最高のパフォーマンスをあげられるように会社が努力している」姿勢を十分に感じることができた次第です。大企業ならではのリソースをもって、自由に働きたいという方には、最適な環境だと思います。

取材/文:長岡 武司
撮影:平舘 平


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