Dear Great Hackers

  1. インタビュー
  1. タイアップ

LINEグループの成長を担うLINE Growth Technologyのこれまでとこれから「Growth開発は運用ではなくサービス運営の課題解決」

日本の標準的なコミュニケーションツールとなっている「LINE」を中心に、多種多様なサービスを展開しているLINEグループが「Growth(グロース)領域」に着目し、その専門開発会社として2018年に設立したのが「LINE Growth Technology株式会社(以下、LINE Growth Technology)」です。

同社は東京、福岡、札幌に拠点を構え、LINEグループのGrowth開発を手掛けています。

「そもそもGrowth開発とは何か?」「どんな開発をするのか?」といったことや、LINEグループ内での立ち位置、さらにLINE Growth Technologyが求める人材について、同社の黒木 亮太氏、吉田 朋也氏、寺田 崇寿氏にお話を伺いました。

プロフィール

黒木 亮太 (くろき りょうた)
LINE Growth Technology株式会社
Growth開発1室 室長
新卒でヤフー株式会社に入社し、サーバーサイドエンジニアとしてキャリアをスタートさせる。スマートフォンに着目し、サイバーエージェントで多種多様なサービスに関わるうちにサービスと組織を共に成長させることを考えるようになり、2019年2月にLINE Growth Technologyに入社。現在は、Growth開発領域の拡充と組織の拡大に取り組んでいる。

 

吉田 朋也 (よしだ ともや)
LINE Growth Technology株式会社
Growth開発2室 副室長
サーバーサイドエンジニアとして、SIer、医療系Webサービスなどの会社で主にWebアプリケーションの開発に従事後、2017年にLINEに入社。LINE Growth Technology福岡拠点が設立されるのを機に、福岡へIターンしLINE Growth Technologyに転籍。LINEのサービス運営ツールの開発などに携わる。現在はマネージャーとしてGrowth開発チームを率いている。

 

寺田 崇寿(てらだ たかとし)
LINE Growth Technology株式会社
Growth開発3室 副室長
エンジニアとして金融系企業で銀行のシステム開発を4年、その後、通信系SIerで7年間流通サービス向けシステムの開発に携わる。海外勤務経験後、北海道札幌市に生活基盤の中心を置き、2020年にLINE Growth Technologyに参加。 Growth開発3室のスタートメンバーとして開発とチームマネジメントを担った。現在は東京に移り、デリバリーサービスのGrowth開発プロジェクトに携わっている。

LINE Growth Technologyが担うGrowth開発領域とは?

――これまで、何度かLINE Growth Technologyをインタビューさせていただいていますが、改めて、どのような組織か教えていただけますか?

黒木 : 私たちのミッションは、Growth(グロース)開発を通じてサービスを成長させ、さらに、それに関わる人々を成長させることにあります。Growth開発では、サービスのいわゆる「0-1フェーズ」ではなく、「1-10」や「10-100」といった成長フェーズに深く関わっていくことが多くなっています。

業務内容には大きく分けて2つのパターンがあり、割合は半々ぐらいです。1つ目は、全社システムのような形でLINE組織全体の共通課題を抽出し、課題解決へとアプローチしていくパターンです。2つ目はサービスに踏み込んで改善を進めていくパターンです。

チーム、組織によって異なる部分もありますが、LINE Growth Technology全体としては全社共通課題に注力しつつバランスを取りながら業務を遂行しています。

――LINE Growth Technologyが取り組んでいる「Growth開発」とは、どういった開発のことをいうのかも教えてください。

黒木 : Growth開発には、様々な意味があると思っています。事業会社が事業を推進しサービスを展開すると、サービスリリース後の成長フェーズに入ったタイミングで、外から見えるユーザー向けの機能開発と内部の運営側の課題を解決する開発をしていくようになります。

ユーザー向けの機能開発と内部の運営側の課題解決を天秤にかけると、どうしてもユーザー向けの機能開発の優先度が高くなりがちです。
しかし運営側の課題が放置されてしまうと、せっかくユーザーが来てサービスを利用しようとしても満足度が上がらないことが多く、機会損失に繋がってしまいます。そこで、サービス運営上の課題を解決するための開発を切り分けてアプローチできる組織があった方が良いという考えが、LINE Growth Technologyが生まれた背景です。

吉田 : 運営、運用には多くの人が関わっています。そこには運営課題が目に見えてあるのですが、放置されていることが多く、ずっと古いシステムのままで運用していたりとか、システムが作れなくてExcelで処理したりしているようなこともあります。

このような課題を解決し、システム化することでサービスの成長やGrowthのボトルネックを解消、支援していくのがGrowth開発だと考えています。

寺田:プラットフォーム型ビジネスは、サービス提供側とユーザーが繋がり「B to B to C」のような形になっていることが多いと思います。この図式で見ると、どうしても「to C」の部分に目がいきがちで投資もそちらにいきますが、サービスを成長させるためには「B to B」の部分も重要です。サービス全体をバランス良く育てていくために必要な開発がGrowth開発だと思っています。

――今、運用という話が出ましたが、世間にはGrowth開発を運用と認識している方もいるようです。実際は全く異なる開発スタイルという理解で良いでしょうか?

黒木 : はい。私たちが採用活動を進めている中でもよくいただく質問なのですが、『LINE○○』というサービスがリリースされた後に、LINE Growth Technologyが『LINE○○』の運用をやっていると、イメージしている方が結構な割合でいます。

しかし、私たちはそのような運用をしている組織ではなく、運営上で発生している様々な課題に対して、どのように解決していけばよいか、どのようなシステムを作った方がいいかなどといったアプローチをする開発組織です。

そういった意味からすると、私たちが作るものは、「0-1」で作ることが多いとも言えます。例えば、コンポーネントを組み合わせるだけでランディングページが簡単に作成できる社内ツール『LPGen(Landing Page Generator)』は、私たちが要件定義から開始して開発しました。

――スタートアップ企業などでは、Growth開発とエンドユーザー向けの開発が一体化したような状態だと思いますが、LINEのように大きな規模になってくると、いわゆる「Growth領域」として意識する必要があるということでしょうか?

吉田 : LINEは、LINEのプラットフォーム上で様々なサービスが展開されているのですが、プラットフォーム上のユーザー規模が大きいためサービス一つ一つの成長角度もかなり大きくなってきます。

サービスに興味を持って来てくれた方々を「なんかイマイチだったな」といった感じで逃してしまうのはもったいないですよね。ですから、そういった部分をなくすため、私達もGrowth領域の開発で関わることによってより良いサービスにする。運営に寄り添う領域がスタートアップに比べると広いのかもしれません。

寺田:事業やサービスの立ち上げ期では、まず重要で緊急なものだけにフォーカスしてやっていくことになります。Growth領域は、重要ではあっても緊急ではないため投資されにくく放置されやすい、重要なはずでも改善されない領域だと言うこともできます。

私たちは、組織としてそういった課題をいつまでも放置せず、フォーカスして解決していきます。これは、LINEグループ全体としての意思表示だと考えていますし、その領域にコミットするのがLINEグループ全体から見たときの、LINE Growth Technologyの存在意義やメリットに繋がっていると思います。

「LINEグループのGrowthを担う」意義とは、どんなことなのか?

――1室、2室、3室と部署が分かれていると伺ったのですが、それぞれどのようなことをされているのでしょうか?

黒木 : もともとは東京開発室、福岡開発室、札幌開発室という名称でしたが、必要な役割で考えた際に拠点で縛る必要を感じなかったため、1室、2室、3室という形に変えました。
3つの開発拠点には、それぞれ特徴があります。

東京開発室から名を変えた1室は、LINE Corporationに立地的に近いため、サービスの企画チームや開発チームとの連携が多くなっています。実際に、LINE Corporationに一緒に席を置いて、開発することもあります。また、先ほど申し上げた全社システムといったところも担当しています。

吉田 : 2室はもともと福岡開発室と呼ばれていました。LINE Fukuoka株式会社(以下、LINE Fukuoka)と同じオフィスにいることもあり、LINE Fukuokaが担っている例えばLINEスタンプの審査や、LINE NEWSのニュースの記事チェックといった、LINEのサービスの運用業務で使用する業務システム開発と業務改善がメインの業務領域になっています。

寺田:3室の名称は、札幌開発室でした。現在の業務の90%以上は、「出前館」関連の開発です。LINEグループとしてデリバリーサービスをしている分野の開発業務を担当しています。

また、もう1つの役割として、LINEグループ全体で利用する社内のバックオフィス向けのシステム開発があります。外部委託のベンダーと一緒になって、継続的な開発をしていくことも3室の重要な役割になっています。

――現在、どのような体制で開発にあたっていますか?

寺田:基本的に個人単位で入るケースは少なく、チーム単位で開発に入っています。実際には、関わる領域や関わる体制などによって柔軟に対応しています。LINE Growth Technologyのエンジニアの職種としては、プロジェクトマネージャー、フロントエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニアに大別でき、だいたい7人前後でチームを組むことが多いですね。

――LINEグループ全体から見たとき、LINE Growth Technologyには、どんなことが期待されているのでしょうか?

黒木 : シンプルな期待としては、やはり運営側のシステムを丸ごとカバーすることかと思います。全社共通課題を含め、困ったことを相談すればLINE Growth Technologyが解決するという役割です。

そうすれば、サービス開発チームはサービスの開発により集中できますし、サービスとしてもLINEグループ全体としても良いものが作れ、さらに大きく成長できると思っています。

――やはり、相談ベースで案件が増えること多いのでしょうか? それよりも、課題を自らキャッチアップして入っていかれることが多いのでしょうか?

吉田 : どちらの案件もありますね。例えば『LPGen』はLINEグループの全社的な課題を私たちでキャッチアップして進めていった案件ですが、相談ベースの案件も多いです。今後は、より私たちから組織的な課題や事業的なボトルネックを見つけて、解決していけるような組織にしていきたいと考えています。

寺田:正直、現時点ではそういった対応ができないこともあります。相談に対して我々がすぐには入れず、まず体制を用意することも含めて優先度をつけて対応している状況があります。この点は課題の1つだと思っています。

――組織が発展途上にあり、体制を考えながら対応を進めているイメージでしょうか?

黒木 : はい。どのチームが入るかといったこともありますし、単純にリクエストされたことをこなせば問題が解決するのかというと、違う可能性もあります。例えば、システムのリプレイスをリクエストされて、課題を探ってみたらボトルネックが別にあった…つまりシステムの問題ではなく、フローが問題になっていることもあり得ます。このように課題を明確にしていくところからやる必要があるため時間もかかり、難しいポイントだと考えています。

――Growth開発というと、デバッグのように直していくイメージを持っているエンジニアもいると思いますが、そうではなくて、課題を明確にするところからスタートしていくのですね。

吉田 : そうですね。私たちは開発するだけの体制で入るのではなく、一緒に課題を考え解決する体制で入っていきます。

――先ほど「出前館」のGrowth開発をされていると伺いましたが、どのような課題に取り組まれているのでしょうか?

寺田:私たちが関わっているのは、営業やCSの人々がデータ設定・閲覧をする社員がユーザとなるシステムの領域です。エンドユーザーからの問い合わせが来たら参照するようなシステムです。

CSでデータの設定作業に時間かかり過ぎている、サービスの成長に対してバックオフィスの業務がついていけていないという課題があり、それを解決するために、私たちがシステム開発に入っています。

吉田 : CS業務や運用業務は同じような対応することが多く、監視・コンテンツのモニタリングもそうですが、共通の課題があってそれを解決していけば良いので、共通システムとして括りやすいと考えています。ゆくゆくはそういった課題を見つけて、システム化して展開できれば、LINEグループ全体のGrowthにも繋がっていくと考えています。

――定量的なことというよりも、共通して困っている問題、課題を解決するのが基本的なスタンスということですね。

寺田:そうですね。関連部署とも協力して、LINEグループ全体というか、私たちのように横に繋がりがある中で、問題や課題を解決できる業務の組み立てや、システム開発をしています。

設立から3年を迎えて、変化したこと、変わらないこと

――LINE Growth Technologyが設立から3年が経過してどのような変化がありましたか?

黒木 : なにより組織として大きくなってきました。2018年の6月に東京、福岡で開発室を立ち上げ、その2年後の2020年に札幌開発室を設立しています。現在では70名の規模になっており、まだまだ採用を積極的に展開してさらに拡大しているところです。

――2019年7月の記事で、LINE Growth Technologyが小回りの利く組織を目指しているお話がありましたが、組織が大きくなった現在でも、スピード感を維持されているのでしょうか?

黒木 : スピード感という観点からいうと、私たちの場合あまり組織の大きさは関係ないように感じています。組織全体で動くというよりは、チーム単位で動くことが多く小規模で動くことが多いからです。

加えて、私たちがチームで入っていく領域は多種多様です。自分が関わっている領域だけに目がいきがちですが、LINE Growth Technologyという組織での強みを最大化するためには、ノウハウなどの情報共有が重要だと思っています。

ノウハウは勉強会で共有することもありますし、タイミングやそれぞれのキャリアを考慮しながらチーム構成を変えていくことで、違う領域でノウハウを活かせるようにすることも考えています。

▼記事を読む
「SIer出身者を採用したい」LINE Growth Technologyが語るGrowth開発の面白み

――チーム間、メンバー間でコミュニケーションや情報交換、勉強会などは多いのでしょうか?

吉田 : 勉強会はかなり多いと思います。それはLINE Growth Technologyというよりも、LINEグループ全体として勉強会などが多い文化があります。例えば、フロントエンドエンジニアには「UIT(フロントエンド開発センター)」という組織があって、そこで開催される勉強会に参加したり、もちろんLINE Growth Technologyでも勉強会をしたりしています。さらにチーム内で勉強会をしているので、多様な領域での勉強会や共有会が細かく実施されている印象があります。

また、技術的な情報を共有するだけでなく、マネージャー間で検討されていることや、議事録なども公開されています。加えて、週1回、情報を共有するような場が設けられていたりするため、組織の意志決定に関わる情報がオープンになっていることが組織全体の風通しを良くして、スピード感の向上に繋がっていると思っています。

――2020年10月の記事では東京、福岡、札幌で拠点が分かれていても、他の拠点のメンバーとのやり取りに支障がなく「隣に座っている感覚」があると伺ったのですが、現在でもそれは変わらないですか?

寺田:基本的にそう思います。特にコロナ禍の今は、画面越しになることが多いため距離感は皆一緒で、拠点間での距離感は更に縮んでいるのかなと思います。

▼記事を読む
「場所にとらわれない働き方」LINE Growth Technologyが札幌に拠点を設立した理由とは

LINE Growth Technologyのこれからの姿

――今後、LINE Growth Technologyをどんな組織にしていきたいとお考えですか? また、現在のフェーズではどんな方に参加してほしいと思われますか?

寺田:私個人としては、現在のエンジニア中心の組織を継続していきたいと思っています。一人ひとりのエンジニアに裁量があって、各々が意志決定していけるカルチャーがあり、一人ひとりの力を信じてやってきているのがLINE Growth Technologyの良いところだと思うからです。

しっかりとしたエンジニアリング力のあるメンバーがいることがカルチャーのベースにあるので、自分で意思決定をする、自分の力で何かを解決していく、という想いの強い人に、ぜひ入ってきていただきたいと思います。

吉田 : 私は、メンバー一人ひとりがエンジニアとしても、ビジネスマンとしても、成長して強い人材に育ってほしいと思っています。そういう人材が集まっている組織にしていき、LINEグループ全体から一目置かれる、頼られる組織にしていたいですね。

自発的に何でも取り組んで、技術にこだわりすぎず、課題解決に対して情熱を燃やす人材が、今後、成長していくのではないかと思います。そういう人に来ていただけるとありがたいです。

黒木 : 組織的な視点で求められていることを見据えると、今の規模よりもさらにオーダーが上がっていくと思います。そうなったとき、組織がボトルネックになってしまわないように、組織が大きくなっても、それぞれのチームで意志決定し、プロジェクトを進められるような体制を目指しています。そういった意味で、裁量を持って、自分たちで課題解決していくことは、組織として重要だと考えています。

それと、私たちの担うGrowth領域は、サービス側のエンドユーザーから見える部分の開発ではなく、内部の運営に近い部分の開発ということもあって、フィードバックが早い特徴があります。「これ、もうちょっとこういう風にしたいのですが」とか「作ってくれたことで、効率が上がりました」とレポートしてもらえることも多く、感謝の声がすぐに届く開発現場でもあります。

すごく、やりがいが感じられる開発環境だと思うので、そのような環境でやりがいを感じながら開発をしたい人にも合っていると思います。

――「やりがいを感じやすい」というのは魅力ですね。

黒木 : そう思います。加えて私たちの担当領域は、特定領域に縛られていませんので、幅広く様々なテーマに関われるのも魅力です。

やりたいことに関われるチャンスが多く、チャンスを作り出すこともできるので、明確にやりたいことがあるようなエンジニアの方、成長したいエンジニアの方に来ていただきたいですね。私たちは人を成長させることも重要なミッションだと考えているので、皆と一緒に成長できるような人と一緒に働いていきたいと思っています。

東京オフィスの採用情報を見てみる

福岡オフィスの採用情報を見てみる

札幌オフィスの採用情報を見てみる

編集後記

Growth開発では、主にサービスの運用領域で課題の発見、抽出から行い、実際の開発まで幅広く担います。サービスを成長させるために、ボトルネックとなっている運用面での課題を解決するのがテーマとなります。

例えばCS業務がExcelファイルの共有で行われ、その不合理な運用がサービス成長の妨げとなっているような課題がさまざまな場所で報告、放置されてきた現実があります。Growth開発によってこれらの課題を解決することでサービスはより成長できるようになるでしょう。

「Growth開発」はまだまだ馴染みが薄い言葉かもしれませんが、LINE Growth Technologyの活躍によって、今後追随するところが増え、普及していく可能性が感じられる取材でした。

取材/文:神田 富士晴


インタビューの最近記事

  1. 世界中のダークデータを抽出せよ。日立製作所 × スタンフォード大学の北米戦略について聞いて…

  2. IT業界30年選手が設計する「エンジニア研修」。優秀な人材が夢テクノロジーに集まる理由とは…

  3. 毎年1,000名単位でエンジニアが増加。夢テクノロジーが進めるIT人材エコシステム戦略とは…

  4. OT×ITで社会イノベーションに切り込む!今、日立製作所のクラウドエンジニアが面白い

  5. 日立のエンジニアライフの実態とは?超エンジニアドリブンな、OSSセンタのワークスタイルに迫…

関連記事

PAGE TOP