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1ヶ月の勉強会は100回超!ゆめみが日本一の開催数を目指す理由とは

勉強し放題制度や給与自己決定制度など、社員の成長を支援するユニークな制度を次々と打ち出している株式会社ゆめみ(以下、ゆめみ)。エンジニアが自律的にアウトプットできる仕組みづくりに労力を厭わない企業として、これまでもQiitaでは複数回にわたってインタビューを行ってきました。

そんなゆめみが、今度は月に100回を超える勉強会の開催を実現したとのこと。なぜ、勉強会の“量”に目を向けたのでしょうか。ゆめみ代表取締役の片岡俊行氏と、実際に勉強会を開催するメンバーの1人である鈴木智也氏に、それぞれお話を伺いました。

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ゆめみ「アウトプット」習慣の真髄。 ~ 自律的な学びの循環が、個人と社会を成長させる ~

プロフィール

片岡 俊行(かたおか としゆき)
株式会社ゆめみ
代表取締役
1976年生まれ。京都大学大学院在学中に株式会社ゆめみ設立。
在学中に、100万人規模のコミュニティサービスを立ち上げ、その後も1000万人規模のモバイルサービスを成功させました。
また、大手企業向けに5000万人規模のデジタルマーケティングの立ち上げ支援を行い、スマートフォンを活用したデジタル変革を支援するリーディングカンパニーとしてゆめみグループを成長させました。
現在は、アジャイル組織・ティール組織の代表的な企業として、ゆめみの組織変革に取り組み、組織ノウハウを外部にも公開しながら、日本のIT産業への貢献を誓っています。

 

鈴木 智也(すずき ともや)
株式会社ゆめみ
サーバーサイド・エンジニア
2019年7月入社。2018年まで人事給与システムの保守・運用に従事。ゆめみ入社後は複数のプロジェクトでサーバーサイドの開発を担当。

従業員1人の年間勉強会開催数を10本にしたい

――ゆめみさんでは月に100回以上の勉強会を開催されているということで、まずはそれを目指した背景について教えてください。

片岡:もともと弊社では2018年に「成長環境としてのナンバーワン」を目指すことを掲げ、勉強会を含めたアウトプットを積極的に行えるような環境を作っていきました。

その中で、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う非対面での業務体制にシフトしたことで、オフィスでのコミュニケーションが減り、チームや職を横断した偶発的な出会いやつながりを作りにくくなりました。
社内でのナレッジなどをしっかりと共有していくには、対話を通じた場がもっと必要だなと思い、勉強会をもっと増やしていこうという流れになりました。

――テレワークに伴って、従業員同士のコミュニケーションに課題を感じる企業は、どんどんと増えている印象です。

片岡:あともう1つ。弊社のメインビジネスは法人企業の内製開発支援でして、なかなか定量的な実績を公表しにくい事情があります。だからこそ、勉強会開催数のような社内の取り組みを通じて、エンジニアが成長できる環境の事例を発信していきたいという背景もあります。

ゆめみでは上図の通り、会社の技術認知を大きく3段階に分けて社内提示している。この中で勉強会開催は、第2ステップの最終フェーズと位置付けられている

――なるほど。その中で、100件という数字はどうやって決められたのでしょうか?

片岡:100という数字自体は、2020年2月から目指すようにしたのですが、これはマイルストーンの1つにすぎません。
中長期的には、社員1人あたりの勉強会開催数を日本一にしたいと考えており、具体的には従業員1人の年間勉強会開催数を10本にしたいと考えています。

――年間10本ということは、およそ1ヶ月に1回程度のペースですね!

片岡:そういうことです。将来的には会社の規模を1,000人にまで拡大したいと考えているので、そう考えると、月間の開催数は800回強を目指しているということになります。(10本/年 × 1,000人 ÷ 12ヶ月 = 833回)
もともとはConnpassでの勉強会開催回数1位を目指していたのですが、無理に開催していくのはメンバーにとって負担が大きいと感じ、「社内の」勉強会開催数という指標に切り替えました。

何回でも無制限に使える「ぱくぱくスタディ制度」

――将来的な800という数字はもちろん、社内勉強会であっても月に100回という数字を実現するのは大変だと感じています。具体的には、どうやって実現されているのですか?

片岡:一言でお伝えすると、勉強会開催のハードルを低くしています。
例えばLTをやろうとすると、事前に資料をまとめて話すことを決めるなど、やることがたくさんあるじゃないですか。

そうではなく、僕たちは「雑壇」、つまりは「雑な登壇」と表現して、資料を準備しなくても良いよ、という風にしています。

――雑壇!面白いワーディングですね。資料がない勉強会って、具体的にどうやって進めていくのですか?ずっと表情だけ映す感じでしょうか?

片岡:いえ、資料がなくても、例えば画面共有で自分が使っているツールや、日々活用しているドキュメントを表示させながら、最近やっていることや気になっていることをプレゼンするようなイメージです。

――なるほど。資料がいらないのではなく、わざわざ作らずにありものを活用しよう、ということですね。

片岡:そういうことです。雑壇で大事なことは、内容ももちろんですが、「ワイワイと話す雑談」だと捉えています。このような目的もあって、雑な登壇をしながら雑談する「ザツダン会」を定義してハードルはグンと下がります。

「ぱくぱくスタディ制度」も、その中の一環で設定した制度です。

――ぱくぱくスタディ制度は、どのようなものでしょうか?

片岡:勉強会を実施する時に、飲食の補助をする制度です。
1人1回の利用で最大1,500円まで補助するのですが、これを何回でも無制限に使うことができます。もちろん、飲食にはお菓子も含まれます。

ぱくぱくスタディ制度を利用している様子

近年の研究で、お昼休憩に誰かとワイワイ話すと、午後の業務パフォーマンス、生産性が上がるという研究結果が出ていて、会社としてはROIが合っているという考えです。

――それはありがたい制度ですね!どんな勉強会でも良いのですか?

片岡:そうですね。ザツダン会だけでなく、LTやセミナーはもちろん、ワークショップや対談、鼎談、輪講、ABD、Cluster勉強会など、形式は問いません。
ただし、コミュニケーションが発生しない「もくもく会」のような形式については、ワイワイ話すという目的からは外れて会議費の要件を満たさないため、「ぱくスタ」の経費精算対象外です。

▼ぱくぱくスタディ制度の詳細はこちら
https://www.notion.so/103dc4a9907343e3979f7cab79715f7a

――「ぱくスタ」と省略して使ってるんですね。そのほかルールとしてはどんなものがあるのでしょうか?

片岡:事前にチーム内で意思決定プロセス(プロリク)と呼ばれる申請を行うこと、勉強会の主催はゆめみメンバーであること、お菓子はOKでもお酒は対象外であること、趣味や嗜好が強すぎるものは対象外であること。そして、最後にちゃんと領収書をアップロードすることが挙げられます。
弊社では経営会議も従業員へオープンにしているのですが、これもぱくスタを利用して参加することが可能です。

開催者を支援するようなキャンペーンも実施

――片岡さん自身、今年の2月末時点で以下のようにコメントされていますが、現在の開催数はいかがでしょうか?

片岡:おかげさまで3月に、勉強会開催数100件を突破しました。

――すごい!2020年の2月から目指されているということで、1年強で達成されたということですね。ぱくスタ以外で、工夫されたことなどあれば教えてください。

片岡:ぱくスタは参加者のインセンティブを用意して参加意欲を上げる効果を見込んだものですが、やはり開催者が一番大変であることに変わりはないので、開催者を支援するようなキャンペーンを実施するようにしました。

具体的には、例えば「ラーニングアクセル賞」と称して開催者や主催者へのインセンティブを設定して、抽選で金一封を付与するなどしていました。

――開催者の属性に変化はありましたか?

片岡:最初の方はほとんどがエンジニア開催の勉強会だったのですが、徐々にほか職種メンバーによる開催も増えていて、勉強会そのもののバリエーションも増えていますね。

2021年3月の開催勉強会一覧

勉強会が負担になっているという感覚はありません

――次に、実際に勉強会に参加したり主催されているお話も伺わせてください。鈴木さんは、現在ゆめみさんで進められている勉強会開催キャンペーンをどのように見られていますか?業務への負担などはいかがでしょう?

鈴木:あくまで私の考えですが、勉強会は「エンジニアとしての自分の学びをサボらない」ためにやっている側面があります。なので、見張ってもらうという意味合いはありますが、それが負担になっているという感覚はありません。

そもそも勉強会という形でなくても、本来的には探究するという観点ではやりたいことなので。
なので、既存の学びを含めた業務にうまく合わせて、開催するようにしています。

――なるほど。例えば、ぱくぱくスタディ制度があることで、勉強会開催のハードルやモチベーションについて、何か変化はありましたか?

鈴木:開催自体は、私の場合は制度があろうがなかろうが開催する性格なのですが、他の人を誘いやすくなったという点で効果があるなと感じます。
せっかくだから一緒にご飯食べながら参加しようよ、と誘えるようになったので、結果としてこれまで勉強会に呼べていなかった人たちも参加するきっかけになっていると感じます。

――いいですね。先ほど見た通り、様々な勉強会が開催されていますが、その中でも特に面白いと感じたものは何でしたか?

鈴木:そうですね…。以前、好きな140文字でSFを書いてみるという会があったんですよ。これは、一見ただの映画ファンのための会のように感じると思いますが、SFってストーリーライティングを練習する題材としてとても良いんです。私も開催こそはできなかったものの、映画「アポロ13」を題材にした勉強会を開催しようとしたことがありましたからね。
こういったカジュアルな勉強会が多いと思います。

技術的な題材としても面白い、140文字でSFを書いてみるストーリーライティング勉強会

開催のハードルを下げていって、もっと楽にしていきたい

――勉強会の効果や、それによる変化など、社内からの評判はどうでしょうか?

鈴木:私の周りでは、少なくとも好評ですよ。
例えば2020年4月の新入社員は、完全なるリモートから業務がスタートしています。普通に過ごしているとなかなか社内メンバーと交流できないでしょうから、こういった勉強会に出てもらうことが、顔も覚えてもらう良い機会になっていると感じています。

あと私自身、コロナ禍で人と話す機会が確実に減っているので、勉強会を通じて話す機会ができているのは、ありがたいなと感じています。

――勉強会に参加したことで、実際に業務面で役立ったことはありますか?

鈴木:勉強会でお話しした内容を覚えていてくれたメンバーが、ある言語に関するプロジェクトで声がけしてくれたことがありますね。社内で顔を覚えてもらえるので、何かと拾ってもらえるようになっていると思います。

――なるほど。ご自身では、どのような勉強会を開催されているのですか?

鈴木:毎週水曜に、システムに関する本を読むという勉強会をやっています。
例えば、システム設計の本について1章分読んできて、気になったところを社内wikiに書いてもらって、それをみんなでフィードバックするような流れです。

発足当初は参加メンバーが固定していましたが、最近は固定メンバー以外も参加してくれて、社内でも有数のベテラン層にもコメントをもらったりしています。
今後も、何かしらの形で継続していきたいなと思っています。

――輪が広がってていいですね!今後について、考えていることがあれば教えてください。

鈴木:開催のハードルを引き続き下げていって、もっと楽にしていきたいなと思っています。今の形であっても、事前にメモを書くのが若干の負担になっているので、それすらなくなるようにしたいですね。

あとは、モブプログラミングをもっとやりたいとも思っています。個人的に参加している「TDDワイワイ会」という勉強会でやっているような、テスト駆動開発をベースに集まった人間で1つのお題を解いていくやり方を社内に持ち込んだら、結構評判が良かったので。

今後はパートナー企業や従業員のご家族にも参加してもらいたい

――お話を伺って、ゆめみさんの中の「勉強会文化」がいい感じで広がっているなと感じています。

片岡:良い勉強会については、社内Slackでいい感じに広がってくれるので、必然的に主催者が評価されるようになるんですよね。手本となる人が評価されて、それを見て「主催してみようかな」と思う人が増えるような、良い流れができていると思います。

――いいですね!制度としての、今後の目標についてはいかがでしょう?

片岡:最初にお伝えした通り、目標は月間800回強の勉強会開催です。
それに向けて社内メンバー以外も、例えばパートナー企業さんや従業員のご家族の方にも、参加していただけるようにしていく予定です。
パートナー企業さんについては2月に開催しましたし、ご家族が参加できる勉強会についても3月に開催できるようにしました。今後は、子育て家庭向けに、育児や食事の献立、睡眠勉強会といった内容を検討しています。

――なるほど。輪を広げていくための取り組みを着々と実行されているということですね。最後に、お二人から読者の皆様にコメントをお願いします!

鈴木:ゆめみでは「何かやりたい」に関しての、何かしらバックアップがあるなと感じています。何かこういうことしたいな、という強いモチベーションがある人には、良い会社だなと思います。

片岡:今回は勉強会のお話をさせていただきましたが、私たちもかつてはそんなに頻繁に開催しているわけではなかったし、5年前まではQiitaでのアウトプットもそんなにできていなかったわけです。

逆に考えると、そういった学ぶ文化が少ない中であっても、施策を長く続けていくと賛同者が集まってきて、大きなうねりになって、良い形として身を結ぶことになります。

ゆめみの勉強会では、外部の方の参加を受け入れているものもあるので、ぜひご参加いただいて良い機会にしてもらいたいと思います。

ゆめみの採用情報をくわしく見る

編集後記

エンジニアの成長を1番に据えて制度設計をされているゆめみさん。昨年お話を伺った際は、そのアウトプット文化の真髄について伺いましたが、今回は具体的な制度の施策として、圧倒的な勉強会の開催キャンペーンについて、その背景や意図する部分などを伺いました。
実際にキャンペーンを活用している鈴木さんのお話を伺い、有機的なメンバーコミュニケーションが形成されていて、さすがだなと感じた次第です。
引き続き、ゆめみさんの施策を注視して参りたいと思います。

取材/文:長岡 武司


ゆめみについてもっと知りたい方へ

ホームページ : https://www.yumemi.co.jp/
片岡氏のnote : https://note.com/raykataoka
Qiita Organization : https://qiita.com/organizations/yumemi

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