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「複業」時代にエンジニア・プログラマーが『Udemy講師』になるメリットとは?人気講師に聞いてみた

オンライン学習プラットフォーム「Udemy」。世界中の教えたい人(講師)と学びたい人をオンラインでつなぐUdemyには、約5.7万人の講師が登録し、ITを中心に様々なコースを公開しています。(2020年9月現在)。

このUdemyで評価の高いプログラミングコースを公開して人気を集めている講師が「はむさん」こと石田敦志さんです。はむさんは、WEBシステムエンジニアとして活躍する傍ら、副業としてUdemy講師活動をしている「二足のわらじ」の達人。Qiitaでも活動されています。

今回は、Udemy講師になった経緯、エンジニア・プログラマーがUdemyの講師になるメリット、コース制作のポイントなどについて伺いました。

Contents

  1. 自身のスキルアップにもつながる講師活動
  2. コース制作で一番大事なのは「○○」
  3. 動画で教えることは特別なことではなくなる?

プロフィール

はむさん(石田 敦志)
立命館大学理工学部卒業後、ハードウェア関連業務に携わる。モノづくりに興味を持ち、組み込みソフトウェアの道へ進みプログラマーに転身。語学にも興味を持ち、英語を学び外資系企業ではErlangでサーバ開発などを手掛けるなどしたがリーマンショックの影響もあってWEBシステム開発にも取り組むようになり、Ruby on Railsやアドテクも習得し、幅広いレイヤーで活躍するようになる。2018年に自らの学びの中で出会ったUdemyで講師活動を開始して人気に。
Udemyコース:「フロントエンドエンジニアのための React ・ Redux アプリケーション開発入門」など

自身のスキルアップにもつながる講師活動

―― 「Udemy」との出会いを教えてください。

はむさん : 私の場合、「純粋に勉強したい」と思っていろいろ探していて出会いました。Udemyは体系的な情報がギュッと集まっていて、特定のトピックについてしっかり学びたい人が集まるところという印象を受け、まず受講者になりました。

―― どのような“きっかけ”でUdemyにコースを出そうと考えたのでしょうか?

はむさん : 2017年の夏ごろに息子が生まれるとわかって、それまでは夫婦共働きだったんですが、出産後は収入を増やして自分が家庭を支えていかなければいけないと思いました。第一子だったので生活が変わっていきそうな予感がしていて、危機感が大きかったと思います。

そう思った際に、ちょうどUdemyで学んでいたので、自分が講師になってコースを出してみようと考えました。

―― Udemy以外に副業として検討したものはありますか?

はむさん : 選択肢はあったんですが、実際に稼働したのはUdemyだけでした。なぜかというと活動しやすかったからです。基本的に自分で時間のプランニングができるのが最大の魅力でした。フリーランスや週1日だけ参加するような仕事では、時間的な拘束もありますから。いつやってもいい自由な形式がUdemyの良さと感じましたね。

―― エンジニアやプログラマーがUdemyで講師活動するメリットは何でしょうか?

はむさん : ひとことで言えば、アウトプットすることが学びとスキルアップにつながることです。
ですから、私自身、成長したいので講師活動をやめられません。Udemyがなかった頃は黙々と勉強するだけでした。自分でコースを作った結果、それが自分の成長につながることがUdemyで経験できたことはとてもラッキーだったと思っています。

勉強して新しい技術を身につけることはもともと大好きでしたが、これまで以上に新たな知識を吸収することが好きになりました。
Udemyをやる前と後では、自分自身のスキルも向上していると思います。確かな情報を届ける責任があるので、多くのドキュメントを読んだり、それを実際に動かして確認したりして、たくさん勉強するからです。

―― 講師になって目標としていた副業としての利益は得られましたか?

はむさん : 子どもができて講師を始めるときに設定した目標額はクリアしています。クリアしたら新たな欲が出てきて、「これくらいの次の目標をやってみたい」ということで家族会議をしています。なぜ家族会議をするかというと、土日祝日に動画を家で収録をしているので、家族の協力がないとコースを制作できないんです。

カメラに写るのは私ひとりですが、コースは家族みんなでがんばって作り上げている成果物だといった感じでやっています。

コース制作で一番大事なのは「○○」

―― Udemyで講師をする前に動画編集の経験はありましたか?

はむさん : ほとんどありませんでした。関係があるといえば、妻がダンサーだったので私も曲編集やダンス動画の収録をしていました。編集したり収録したもの見て課題を見つけそこを改善していくという経験はUdemyのコンテンツ制作に活きているんじゃないかと思いますが、それくらいです。

―― Udemyでコースを公開するまでの流れを教えてください。

はむさん : 私がUdemyのコースを出すまでには9つのプロセスを踏んでいます。

  1. マーケットの調査
  2. タイトル決め
  3. 目次決め
  4. 台本づくり
  5. 読み合わせ(3回くらい)
  6. 収録
  7. 編集
  8. 審査に提出
  9. 公開
収録の様子

収録の様子

はむさん : 一番大事なのが、最初の「マーケットの調査」です。すでに似たようなコースを他の講師が出していないかなどを確認しつつ、どういったコースを出すのかをまず決めます。

―― ひとつのコースを作成するのにどのくらい時間をかけていますか?

はむさん : 長いものだともう、半年くらいかかっています。ですが、1.5時間くらいのコースだったら1ヶ月くらいで作成できると思います。

―― 動画編集にはちゃんとした機材を揃える必要があるのでしょうか?

はむさん : 編集ソフトはiMovieでも問題ないと思います。私の友人がiMovieでYouTubeの動画を編集しているのですが、YouTube的な良い動画になっているので。私が使っているのはScreenFlowという有料のソフトです。はじめてコースを作成しようと思ったときに何を使えば良いのかわからなくて、Reactのコースを出している海外の人気Udemy講師がどうもこのソフトを使っていたようなので選びました。

マイクはBlueのYetiというコンデンサーマイクがUdemy講師によく使われています。感度が高くて指向性があり、オーディオインターフェースが不要なのでとても便利です。私もデビュー作はこれで作りました。プログラミングのハンズオンという性質上、現在は音声のボリュームを一定に録音できるようヘッドセットを使用しています。日本では非売品のため輸入をする必要はありますが、具体的にはAudio-TechnicaのBPHS1を使用しています。
もっと安いものでもマイク1本あれば講師を始めることができるのですが、音の綺麗さは評価に直結するので、マイクはある程度品質が高いものが良いかと思います。

Audio-Technica BPHS1

はむさん愛用のBPHS1

―― コース制作で苦労されている点についても教えてください

はむさん : やはり苦労するのはマーケティングですね。1発目のコースを作ったときはたまたま売れましたが、どういうコースを出せば売れるのかがわからず苦労しました。2つ目のコースは自分が知りたい内容、勉強したい内容にしたら全然売れず、反響が1つ目のコースの10分の1くらいでした。

このように、コースを出しても反響がないリスクはあります。シビアな面もありますが、マーケット自体は非常に大きいですし、拡大を続けています。日本のUdemyマーケットはまだまだ発展途上で産声を上げたばかりというフェーズだと思います。ですので、今はリスクよりも、「これだけ売れているんだ」という成功体験をモチベーションにしています。

――とはいえ、はむさんが公開されている6コースは、すべて評価が「☆4以上」で、中にはベストセラーや最高評価のものもありますが、高評価を得ている理由についてご自身ではどう分析されていますか?

はむさん : 評価が高い理由は、「自分自身が何も知らなかった頃を想像しながら、ゼロから学ぶ人をターゲットにした内容を届けられているから」だと分析しています。Udemyに来られる受講生の多くはゼロから学ぶ人、入門者が圧倒的に多いからです。ですので、そういった人にリーチする内容を意識できているからだと私は思っています。

それと、私は自分に知識があるとは思っていません。私のReactコースやTypeScriptコースは高い評価をいただいているんですが、実は4~5年前の私はReactやTypeScriptについて何も知りませんでした。技術は常に新しいものへ変わっていきます。ですから、勉強して身につけたものを今の時点でまだ知らない人に届けるという役割をしているだけなんです。

―― エンジニアには、動画は作成したことがなくとも文章でのアウトプットをした経験がある方は結構いると思います。文章でのアウトプット経験はUdemyのコース作成に活かせますか?

はむさん : さきほど、私のUdemyのコースを作る9つの工程の話をしましたが、この9割がたは「4.台本づくり」で、収録時間よりずっと長いです。

Qiitaやブログに記事を書いている方は文章力があるので、情報を知らない人に対してわかるようにゴールまでナビゲートできているわけです。そのロジックは文章であろうが動画であろうが本質的なところでは変わらないと思うので、ロジカルに文章が書ける人はUdemy講師としてのアドバンテージを持っていることになると思いますね。

―― コースの台本を作るときにポイントになることはなんでしょうか?

はむさん : 問題を解決したことがある、困っていることを解決したことがある、という経験は絶好のコンテンツになります。動画を見ようとしている人は何かしらの問題を抱えてきているという前提で考えた方がいいと思います。ただ知識を身につけたいのではなくて、何かで困っている人が見るということです。そういう人に「問題はこうやって解決すればいいんだ」と提供できたらいいわけです。

動画で教えることは特別なことではなくなる?

―― はむさんが今、注目されているUdemyのカテゴリーやトピックはありますか?

はむさん : 王道ですが、ブロックチェーン関連、AWS関連は注目度が高いと思いますね。
ブロックチェーンはフィールドがニッチなので今はそんなに受講生がいないかもしれないんですが、これから粛々とブロックチェーンの存在感は大きくなっている印象なので、可能性はあるんじゃないかなと思っています。

―― 最後に、この記事を読んでいる読者の皆さんへメッセージをお願いします

はむさん : 大昔、Blogを書くことに違和感があった人がいたと思いますが、今では特別なものではなくなっています。Udemyに対して「自分がものを教える?」「動画に出演?」と抵抗を感じている人もいると思いますが、これからの時代、「何かを動画で教えること」は特別なことではなくなっていると思います。まずは、「1本コースを出してみようかな」くらいの軽い気持ちで出してみるといいかなと思っています。

今、リモートワーカーは世界的にみて爆発的に増えていると思います。Udemyは、そんな家にいる時間を使って自分の労力を世間に伝えられるプラットフォームのひとつなのでお勧めしたいです。私もQiitaで毎日勉強させてもらっていますが、Qiitaにはプログラミングに関する知見を持った方がいっぱいいらっしゃるので、ぜひUdemy講師にチャレンジしていただければと思っています。

私も皆さんからの質問などには積極的にお答えしたいと思いますので、聞きたいことなどがあったら、Twitterアカウント(@diveintohacking)に投げかけてみてください。
オンラインで皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!

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