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イベント「Increments、Qiita の振り返りと未来への挑戦 2017」レポート(詳細編・前半)

Qiita誕生

Qiitaは2011年の7月に公開。2カ月でピボットして現在のサービス形態となった。

――及川

はてなでインターンやって、Googleでもインターンやったんですよね?

――海野

そうですね。2010年の夏はGoogleでインターンをしました。次の年にQiitaを作って、まず創業者3人で創業していて、僕と後2人で作ったんです。その3人の出会いっていうのが、大学時代にビジネスコンテストが当時大学生の間で流行ってたんですけど、そこに僕が参加して、後の2人に知り合ったのが最初の背景ですね。

ビジネスコンテストのアイデアはQiita関係なかったんですけど、そこで3人のつながりができて、その後チャットでだべってたんですけども、その時にアイデアとしてプログラミングを勉強できる場所があるべきなんじゃないかっていうところで、Qiitaの原型となるアイデアが生まれたという流れです。

――及川

その時のビジネスコンテストのアイデアって何だったんですか?

――海野

大学生の教科書を中古で買い取って、新入生に売るみたいなビジネスです。大学教授にすごい怒られそうな(笑)。評価はあまりされなかったですね。そこで2人と知り合って、なんかやりたいねってチャットで話して、そこでプログラミングに関するアイデアをオンラインで決めたんですね。

――及川

そこでアイデアが出てきて、アイデアをもう少し煮詰めて、実際作ってサービスとして世に出すまでっていうのはどういった感じなんですか?

――海野

まず最初にアイデアが出てきて、その後、実際に作ろうとなった時に、当時、僕は学生で卒業研究をやっていたタイミングだったんですけど、後の2人は社会人だったので、まとまった時間が取れないっていう状況でした。なので休みに合宿しないかってことで、その数カ月後のゴールデンウイークに合宿をして、二泊三日で原型を作り上げて、そこからまたオンラインに戻って作っていきました。

――及川

実際にQiitaが初めて外に公表されたのはいつですか? 最初はクローズドだったんですか?

――海野

いきなりオープンにしました。2011年の7月に公開していて、1番最初は日本版Stack OverflowみたいなQ&Aサービスでした。

――及川

その当時をからQiitaを知っている人はどれくらいいますか?

(会場では数名手が挙がる)

――海野

あ、でも何人かいる。すごく嬉しいですね。ちなみに2カ月しかQ&A状態はありませんでしたからね。

――及川

なぜうまくいかなかったんですか? どんな状況だったんでしょう。うまくいかないパターンっていろいろあると思うんですけど。

――海野

Q&Aでは、うまくいったところとうまくいかなかったところがありました。うまくいったところは、みんなめちゃくちゃ質問に答えたがっていて、質問が出るとすぐに答えが出ていた。10分とか15分以内に答えが出るって感じでしたね。当時ユーザーは数百人とかの規模だったにも関わらず、すぐに回答が出ていましたね。

回答率という意味ではすごく高かったなぁと思いました。一方で質問が全然出なくて、みんな答えたいって待ち構えているけど、質問する人が出ないからコンテンツが出ないみたいな状況が続いていました。そこでQ&Aの形だといろいろな人に使ってもらうのが難しいなと思って、2カ月後に転換しました。

――及川

当時はどういう人がユーザーとして参加していたんですか? そもそもどうやって広まっていったんですか?

――海野

最初はですね、インターンしていた、はてなで社員の人たちに発表して、リリースして、まずは、はてなのエンジニアの人たちに使ってもらいました。僕を含めてエンジニアの人たちはTwitterを見ている人が多いので、Twitterでどんどん拡散されていって広まった感じですね。

――及川

2カ月と見切りが早かったですね。ピボットしたわけですね。これはダメだという感じだったんですか?

――海野

ダメだっていうところと、これだけ回答したいとか何か発信したいという人がいるのであれば、そちらに最適化すればもっと早くいろいろ人にとって、いいサービスになるのではないかと思って作り直しました。

――及川

今は日本語版のStack Overflowもあるし、それ以前でも英語版のStack Overflowもあるし、日本発のプログラミング関係のQ&Aサービスも複数あると思うんですけど、質問したことあるって人はどれくらいいらっしゃいますか?(会場に聞く)

(会場からは数名の手が挙がる)

――海野

やっぱりそんなには多くないですね。質問するのって敷居が高いんですかね。どうしても2ちゃん的な文化というか、ググれみたいな怖さがあるじゃないんですかね。エチケットとして自分で調べてからにしようというのがありますよね。今もあまり変わらないですね。

――及川

ピボットして情報共有できるように作り変えたのですが、Qiitaっていう名前は最初からなんですか?

――海野

そうですね。実は今のQiitaの由来ってヘルプページにちゃんと書いてあるんですよね。Qiitaの由来はですね、Q&Aからきていまして、Qから始まってAで終わるっていうところで、サービスをいろいろ考えていて、その中で語感的に良いQiita(Qiita)になりました。ほかにいくつか候補出ていたんですけど、最終的にはドメインが取れて、覚えやすいからって部分が大きいですね。

サービス開始時のQiita・起業・サービスの拡大

Qiita以外のサービスを手がけることも踏まえて、社名はプログラミングに関するものに。

――及川

最初ってどんな感じだったんですか? 今とだいぶ違うところがあると思うので、今と同じところ、振り返ると違うところっていうのはありますか?

――海野

ありますね。1番大きいのはMarkdownではなかったですね。フォームとして記事のタイトルと自然言語というか文章とコードの部分みたいな3つの入力欄があって、投稿するという形でした。

――及川

コードの入力部分は別だったんですか?

――海野

そうですね。コードの入力部分がひとつだけあるという形でした。

――及川

Markdownじゃないってことは、いわゆる装飾みたいなものとか、文章構造みたいなものはなく?

――海野

そうですね。当時、Markdownが出てたか出てないかのタイミングで、Githubが導入したのが、その前後くらいで、今みたいにいろいろなサービスでMarkdownが採用されている状況ではなかったですね。

――及川

Markdownを導入しようと思ったのはいつですか?

――海野

リリースしてから数カ月後なんですけど、きっかけはあるユーザーさんがQiitaでMarkdownを使えるようにして欲しいと言ってきて。Githubで触っていたので、Qiitaは文章中にコードを埋め込むというのは相性が良さそうなので、そこから実装しました。

――及川

起業が2012年ですよね。会社作る前にまずサービスがあって、その後に起業したんですね。起業したってことは、これはいけそうだって思ったとか、もしくはこれでやるぞって覚悟を決めたってことだったんでしょうか?

――海野

両方ありましたね。3人で話している時もサービスを作って、会社にして、しっかりフルタイムでやれるようにしたいという話をしていたんですけど、とはいえ当時2人ともフルタイムの仕事があって、僕自身も卒業して院に行くかどうか迷っていたタイミングだったんです。Qiitaをリリースして反響とかを見ていて、しっかりこれに時間を使いたいなと思った経緯があります。

――及川

それまでの間は、どちらかというと本業があったり、学業があったりというところで、副業的というか、サイドビジネス的にやっていた感じだったんですね。もうひとつ、さっきの名前の話でいうと、会社名はIncrementsじゃないですか。この名前にした理由はどうしてですか?

――海野

まずプログラミング関係のワードにしたいと思っていたのと、Qiita以外のサービスも将来的に作っていきたいと考えて、社名をサービスと同じにするのではなくて、より広くプログラミング関係のものを指すような単語にしたいというところで案を出しました。どんどん積み重ねていくような、積み上げていくようなサービスにしたいというところでIncrementsという名前にしました。

――及川

起業してから、ユーザーや組織が拡大していく時の話で、面白いエピソードやどんな形で機能追加をしていったなどありますか?

――海野

拡大した大きなトリガーは、はてなブックマークでした。プログラミングの情報でたまにまとめ記事が上がってきて、それが拡散されて、はてブユーザーの方とかTwitterに拡散されて、一気にユーザーが増えるというのを繰り返しつつ、それに伴ってユーザーが増えてコンテンツが増えて、検索流入も増えるという形で成長し続けてきましたね。

――及川

盛り上がった記事とかあったんですか? 最初のころこういったがバズりましたみたいなのを覚えてますか?

――海野

最初にはてなブックマークが1000越えた記事が、これを知らないプログラマーは損してるなって思うツールを教えてくださいっていうQ&A的な投稿(※)なんですけど、それの投稿にコメントでいろいろなツールを教えてくださる方がたくさん出てきて。

知らないと損するというか、知ると便利になるツールばっかりだったので、たくさんの人が見にきたり、教えてくれたりといったところで盛り上がりました。2012年くらいですね。

(※:「これ知らないプログラマって損してんなって思う汎用的なツール」puriketu99さんによる2012年12月26日の投稿)

――及川

時系列的にいうと、この頃に我々は知り合ったんですよね。2012年って私はまだGoogleにいたんですけど、NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』という番組に出させていただいて、そうしたらTwitterのフォロワーが倍くらいに増えて、1万人ちょっとになったんですね。

そこで自称中学生というTwitterのユーザーさんがいらっしゃいまして、私とかRubyのマッツさんとかにガンガン質問してきてたんですよ。どこまでTwitter上で答えてあげるべきかなって思っていた時に、「一緒にやりませんか? うちQiitaっていうサービスをやっているんです」って、Twitterでメンションしてきてくれて。

それでGoogleのオフィスで会ったのが初めてですね。「何か一緒にできるといいですね」と言いつつ、出会っただけで終わった形だったんですけど、それがちょうど会社作ってすぐ後くらいですか?

――海野

ほんとに直後くらいですね。

――及川

だからそれまで正直、Qiitaって知らなくて。そこで紹介してもらってからたまに見るようになったのが2012年ですね。

盛り上がった記事の話をしてくれてたんでした。話を戻しましょう。機能としてはどんな順番で追加しいったんですか? 何かエピソードがあったら話してください。

――海野

最初は投稿してもらわないと始まらないというところがあったので、投稿してもらえるようにいろいろな機能を作ったり、Kobito(※)も2012年なんですけれども、投稿するためにみなさんに使ってもらえるようなツールや仕組みを作ったのが初年でしたね。

当時はリーンスタートアップの本が流行っていて、Kobitoを作る時はユーザーさんにプロトタイピングを見せて、フィードバックをもらって、UIに反映してということをしっかりやっていました。

特にKobitoはネイティブアプリでカジュアルにUIを変更できなかったので、UI周りのテストはしっかりやっていました。そんな風に機能追加をしていき、社員も増えていった感じです。2015年に社員が一気に増えました。

(※:Incrementsが無料で提供しているソフトウェア開発者のためのMarkdownによる情報記録・共有ソフト)

及川さん入社の経緯

「及川さんの入社をきっかけにプロダクトマネジメントを考え始めた」と話す海野。

――及川

私が入ったのが2015年の11月。どうして及川がジョインしたのかっていう話をすると、2人の共通の知人からfaebookのチャットで「及川さんお久しぶりです。Qiitaに興味ありますか」って、連絡をもらいまして。

いろいろ拡大しようとしてるので、もし興味があったらと思って、というんで3人で六本木ヒルズでランチしたのが最初です。2015年の初めですね。

当時、私はGoogleにいて、まったく不満はなかったんですけど、ちょっと違うことをやりたいなとも考えていて、会って話をしたら面白いなって思ったんですね。スタートアップについては、若い社長さんをたくさん当時から知っていて、彼らとはタイプが全然違うんですよ。わりとみんなイケイケゴーゴーな感じなのに、やおっちにはそういった感じがあまりないんですよね。

エンジニア上がりですごい真面目だし、ミッションの「ソフトウェア開発をよくすることで世界の進化を加速させる。(※)」というのも面白いと思って。私自身、ずっとエンジニアリングのバックグラウンドを持っていて、ソフトウェアで世の中を良くしていくことを考えていたんだけれども、日本でそれを実現するにあたり、ミッションとして持っていたり、エンジニアを幸せにするようなことを考えている会社が少なくて、それができるといいなと思っていたんです。

(※:以前のミッション。2017年7月から「エンジニアを最高に幸せにする」がミッションとなりました)

自分自身Googleを出ることを考えた時に、ベンチャーキャピタルの人に起業を勧められたりして、ブレインストーミングもしたんですが、ソフトウェアを良くすることをやりたいなって思った時に、日本でやれることは何だろうと思って、自分で考えたアイデアっていうのが、実はQiitaに近いものだったんですね。

なので、苦手な経営をやりながら、エンジニア仲間を集めるよりも、既にQiitaというユーザーに愛されているサービスがあり、それを開発している優秀なエンジニアもたくさんいるのだから、もし思いが本当に一緒であれば、そこに加わらせていただいた方が、自分のやりたいことの実現に近いんじゃないかなって思ったんです。

「こんなこと実はやりたいんですけど」って話をして。そうしたら意気投合して。確か役員3人と高橋さんで飲みに行ったんですね。行きつけのバーが渋谷にありまして、そこに連れてってベロベロに酔っ払いましたね。でも、あの時は僕が勝った気がするんですよ。あの時は平気でしたよ(笑)。

――海野

僕は昼くらいまでダメでしたね(笑)。

――及川

そういった経緯があって2015年に合流させていただいたという感じです。その後、組織のマネジメントをやっていくということで後半につながっていくんですが、やおっち視点から歴史を語る上で何かほかに言っておきたいことはありますか?

――海野

2015年に一気に人が増えて、チームらしくなってきたところだったりとか、後はプロダクトマネジメントを及川さんの影響で考え始めました。それまではふわっとプロダクトオーナーとして僕がいたり、デザイナーがいたりといったところで、チームらしく実際に取り組んだりとか、プロダクトマネジメントの手法をしっかりとプロセスとして整備していったのが2015年終わりから2016年です。

サービスには思いが必要

 

――及川

Qiitaの思想的な話についても話をすると、エンジニアやプログラマーのコミュティってところで、コミュティサービスに関して私はいろいろなものを研究したんですけど、やっぱりビジョンや思いが大事だと思うんですね。

Stack Overflowもそうですし、HackerNewsっていうみなさんご存知のものがありますけど、それなりに思想がありファウンダーの思いがある。特にHackerNews。HackerNewsを立ち上げた時のエピソードがブログに書いてあったんですけど、最初は全部パトロールして、間違っている記事を正していくみたいなことをガンガンやりまくってるんですね。

当然、反発があるんですけど、「こういう世界を作りたいんだ」、「こういうコミュティにしたいんだ」、「これを理解してくれる人集まってください」っていうところが、しっかりあるんです。

日本ではそういうところを表立って出すことが厳しかったり、あまり出すことを良しとしないところがあったのかなと思います。一方、社内では、そういう思いのようなものは、多分にやおっちのパーソナリティによるところもあって、やおっちは、社内においては、そういった思想的な柱なんですね。

コミュニティの運営という面では、いろいろと難しい判断をしなきゃいけないことがありますが、そもそもこういう思いで作ったもので、こういう風に育って欲しいというところを、もちろん社員はそれを理解しているんですが、ユーザーにもちゃんと届けた方がいいですよということで、今回のこのようなイベントになったというところもあります。

今まで開発してリリースしてきたものも、今後計画しているものも、すべてに思想的な背景があるとともに、ユーザーの方々にちゃんと使ってもらえる、ユーザーの方々と作っていくといったところがしっかりありますので、その部分の話につなげていければと考えています。

――海野

思想的な話は後半で出てくると思うんですけど、あまり言ってこなかったり、言えていない状況でいろいろな取り組みをした結果、みなさんに誤解を招いたこともあったと思うので、そうした部分をもっと発信していきたいというところも、今回のイベントの目的のひとつですね。

> レポート(詳細編・後半)に続きます。


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