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マイナビのシステム開発現場で変わらないベンチャーマインドとは

働き方の多様化が進み、1つの会社に骨を埋めるという概念がいよいよなくなってきた現代社会においては、様々な企業の採用情報を扱う「求人メディア」の存在が、ますます重要なものになっていくと言えるでしょう。
また、あらゆるプラットフォームサービスと同様に、求人領域においても、巨大な情報を集約する少数のメガプラットフォームと、テーマ領域を絞ってニッチ戦略を展開する多数の小プラットフォームに分かれていく傾向が、今後ますます加速することが想定されます。

今回は、そんな前者の事例として、国内求人媒体を代表するサービス群を展開する株式会社マイナビのシステム開発についてです。学生向け就職情報サイト『マイナビ』や、転職情報サイトの『マイナビ転職』を一度はご覧になった方は多いのではないでしょうか。

国内有数のメガプラットフォームを支えるシステム部門として、どんなことに気をつけて日々業務にあたっていて、どんなやりがいや楽しみがあるのか。同社のHRシステム事業部長にお話を伺いました。

プロフィール

小浜 立郎(こはま たつろう)
株式会社マイナビ
HRシステム事業部 事業部長
1989年にマイナビへ新卒入社し、就職情報事業の営業として多くのクライアントを担当する。その後、企画・調査部門に異動し、1998年に課長として就職情報サイト『マイナビ』の立ち上げを担当。2001年には転職情報サイト『マイナビ転職』の大規模リニューアルに参画した。2005年からはシステム統括本部の商用システム部長として、複数のサイトやシステムの立ち上げに従事し、その後システム統括本部長を歴任したのちに、2020年10月からは現職のHRシステム事業部にて、 新卒・キャリア採用、教育領域のサイトやシステムの開発・運営に従事している。

 

サービス内容も含めて一緒に考えていくことが多い

――まずは、マイナビの「HRシステム事業部」がどのような部署なのかを教えてください。

小浜 : HR(Human Resources)と名が付くとおり、人材に関わるサービスのシステムを担当しています。具体的には、就活生向けサービスの『マイナビ』や、転職希望者向けの『マイナビ転職』、高校生向けの『マイナビ進学』など、人材・教育系サービスサイトやその姉妹サイトをメインで開発・運用しています。またこの他にも、関連する事業部で利用する社内システムの開発や、業務効率化にも取り組んでいます。

――基本的には各HRサービスのシステム開発部分を司る部署であって、サービスの運営自体はビジネス部門が担っている、という理解で合っていますか?

小浜 : そうですね。例えば『マイナビ』は就職情報事業本部が営業活動や運用運営をやっていますし、『マイナビ転職』は転職情報事業本部がその役割を担っています。もともとは各事業部がそれぞれのシステム開発をまかなっていたのですが、そこからシステム担当を切り出して集約することで立ち上がった形部署がHRシステム事業部になります。

――なるほど。いずれも、非常に大きなサービスを担当されているわけですが、日々の開発はどのように進めているのでしょうか?

小浜 : 基本的には我々の方で企画設計や要件定義などを担い、具体的な開発やコーディングはパートナー企業にお願いをしています。例えばマイナビ転職は事業部として受け持っているサービスの中でも最大級のものの1つなのですが、10名程度で運用開発をしていまして、軽微な修正を含めた保守は自分たちでやりつつ、具体的な機能開発についてはパートナー企業と一緒に話し合いながら進めています。

――機能開発にも大小様々なレベルがあると思うのですが、大きな開発についてはどんなペースでどのように進めているのでしょうか?

小浜 : 転職関連のサービスで言いますと、大きな機能はおよそ年に2回ほどのペースで開発をしています。例えば直近だと、「+Stories.(プラスストーリーズ)」と呼ばれる、企業の採用広報を支援するようなブログサービスをリリースしました。このサービスは運営部門から企画案が上がってきまして、一緒に要件定義を進めていき、サービス内容がある程度固まったら、そこからパートナー企業の方にも入ってもらい具体的な開発を進めていった流れになります。

もちろん、これに限らずどのサービスも、基本的には求職者が使う画面と求人企業側が使う画面があるので、それぞれの用途や対象者を鑑みたUIを考えながら、ディスカッションベースで開発を進めています。特に求職者向けのものだと、単純なシステム開発ではなく、サービス内容も含めて一緒に考えていくことが多いですね。

コミュニケーションこそが仕事である

――プロジェクトの上流工程を担当される上で、苦労されている点や、失敗談などがあれば教えてください。

小浜 : メンバーと話をしていると、関係部署の取りまとめが大変だという声は結構あります。例えば就職情報の『マイナビ』ひとつをとっても、就職情報事業本部はもちろん、マーケティングや広報、バックオフィスに至るまで関係する部署は多岐にわたります。当然ながら各部署のKPIというものがあり、それぞれがそれを前提にディスカッションするとなると、意見のベクトルが相反することも当然ながらあります。合議制がとられることが多く、意見をまとめるのは結構大変だと思いますね。

――合議制だと、なかなか物事が決まらないということが発生すると思うのですが、その際はどうされているのですか?

小浜 : おっしゃる通りです。コミュニケーションこそが仕事と言っても過言ではないでしょう。認識の齟齬は、手戻りや余計な時間が発生する原因になります。システム開発においては最も恐れるべきことなので、マイナビでは特に、コミュニケーションを密に行い、関係部署間の齟齬がないようにプロジェクトを進めていく力が求められます。

――要件定義者とコーディングをする人が異なる場合、この認識の齟齬発生によって、思わぬプロダクトができてしまうことは、よくある話として伺います。この辺りのコミュニケーション能力については、採用の段階で見極めていらっしゃるのでしょうか?

小浜 : そうですね。ここ十年ほどは最終面接をする機会も多くなっていまして、そこでいつも「一般的なSIerさんのプロマネだと考えて入ってくると、かなりギャップがあるよ」と伝えています。

『コミュニケーション能力』という言葉は広く使われるのですが、よく勘違いされるのが「プレゼン能力」が高ければ良いわけではありません。プレゼン能力も高いに越したことはないのですが、ちゃんと相手の理解を確認するような、齟齬を生まないコミュニケーションを取れることの方が実は大切なんです。

技術的なスキルや知識面はいかがでしょうか?コミュニケーションやディレクション能力があれば良いのでしょうか?

小浜 : いえ、そのようなことはありません。ある意味で我々はシステム開発の現場を知らない方とも、逆にその分野のプロフェッショナルな方とも話す必要があるので、最新のテクノロジーやそれに付随したサービスのことも知っている必要があるでしょう。ある程度の技術力があって、かつ適切なディレクションができるコミュニケーション力を有している方が理想ですね。

また新卒については、今年から採用スタイルを変えていまして、これまで「ITコース採用」で一本化していたものを3つに分解して、システムエンジニアコース、開発エンジニアコース、データサイエンティストコースに分けています。

システムエンジニアコースは従来通りディレクションをメインで担当する職種を想定したコースですが、その他のコースはより専門性の高いものとなっているので、異色のメンバーが入ってくるかもしれません。それも大きな楽しみです。

「就職」と「転職」でちょっとだけ違うカルチャー

少しチームについても伺いたいのですが、HRシステム事業部はどんな雰囲気やカルチャーなのでしょうか?

小浜 : 基本的には若いメンバーが多いです。事業部の8割以上はキャリア採用で入社したメンバーなので、個性も経歴もバラエティに富んでいますし、上下関係のような壁もないと言って良いと思います。非常にフラットですよ。

携わるサービスによって、何か違いなどはあるのでしょうか?

小浜 : 就職情報のマイナビは、1年ごとに異なるユーザーに登録いただいているサービスで、ご利用いただく期間も就活を行っている時期に限定されます。だからこそ絶対に失敗できないわけです。よって、必然的にウォーターフォール型の手法を採用することが多くなる印象です。

一方でマイナビ転職は、もともと様々な部署の人間が集まって立ち上がったという経緯もありますし、時期を問わず継続的にサービスをブラッシュアップする必要もあり、どちらかと言うとアジャイル型の手法を採用することが多い気がしています。

それは面白い違いですね。

小浜 : もちろん能力面に関しては、担当するサービスや開発手法にかかわらず、全員がシステム系の専門なので、お互いが切磋琢磨できる環境だと言えます。仕事の進め方としては、プロジェクト内での一人ひとりの裁量は大きいので、より能動的に動けるメンバーが活躍していると感じます。

なるほど。今後、HRシステム事業部として、プロダクトの方向性などはどのように考えていらっしゃいますか?

小浜 : 一言で表現すると「ユーザーの利便性を考えた、サービスの再考」ですね。例えば、各求人サイトには機能としては似ているサービスがありますが、ユーザーからすればそれぞれのサイトに分かれているよりは1ヵ所にまとめられていたほうが良いよね、という場合もあります。
マイナビ全体でユーザーと向き合っていくという動きが、少しずつはじまっています。

具体的にはどういうことでしょうか?

小浜 : 思いつきで例を挙げると、就職サイトにも転職サイトにも求人企業にご利用いただく「応募者管理機能」というものがあるのですが、それぞれ別のシステムではあるものの、機能としては似た仕組みになっています。そもそも弊社が提供するサービスが分かれているから採用担当者の使うシステムも分かれているというのは、果たして良いのか悪いのか?サービスとして十分なのか?ユーザーの利便性や満足度は高いのか?など、現状を当たり前と考えずに議論が必要であるということです。

マイナビさんは、それこそ様々なサービスがあるので非常に大変なプロジェクトだと想像できるのですが、いかがですか?

小浜 : おっしゃるとおり、今まで様々なサービスを作ってきたので、かなり大変なことと想定しています。今はまだ構想段階のものが多いので具体的なTODOはお伝えできませんが(笑)。

会社がまだ200名だった頃のベンチャー風土はいまだ健在

ここまでお話を伺ってきましたが、改めて、マイナビで働くことの楽しさについて教えてください。

小浜 : 会社組織としてはグループ全体で約9,000人の大所帯になっていますが、それでも「ベンチャーマインド」がしっかりと残っており、これもマイナビで働くことの魅力だと感じます。

このベンチャー的な風土が生まれている要因は大きく3つあると考えています。

どのような要因があるのでしょうか。

小浜 : 1つ目は意思決定者とメンバーの距離が近いことが挙げられます。正式な会議だけでなく、飲み会などで軽く話した企画からサービスが始まることもよくあり、意思決定者がメンバーの話に気軽に耳を傾ける風土があります。

2つ目は、先ほどもお伝えしたとおり、部門間の垣根がそれほど高くないということ。これはサービス企画だけでなくキャリアの観点でも言えることでして、例えばシステム職で入社した人間がメディア媒体の編集長になると言ったケースもあります。

そして3つ目が、専門的な領域についてはまだまだ会社として開拓途上であるだということです。少し前までは各メンバーともジェネラリストに近い指向だったわけですが、先ほどもお伝えしたとおり新卒の採用をコースで分けたので、より専門領域に抜きんでた人間が出てくることも期待できます。つまり、声をあげた人が理想とする組織を作れる余地が、まだたくさん残っているので、組織づくりの観点でもベンチャーの側面があると言えるでしょう。

小浜さん自身が、いわゆるベンチャーマインドを感じたエピソードはいかがでしょうか?

小浜 : 1989年(平成元年)にマイナビ(当時は、株式会社毎日コミュニケーションズ)にプロパーで入社して、最初の7年間は就職情報誌の広告営業をしていましたが、インターネットが普及しはじめた1996年に異動して、企画・調査部門で就職サイトを担当することになったんです。そこでの業務に2〜3年携わっているうちに、データベースを利用したいろいろなアイデアがわいてくるようになり、そのアイデアを企画会議で話し、それが採用されて現在の就職情報サイト・マイナビの立ち上げに至ったという経緯があります。

私が入った頃はまだ200名ほどしかいない時期で、今はその50倍近いメンバーがいるわけですが、それでもまだ当時あったベンチャーマインドは無くなっていないなと強く感じています。経験者・未経験者問わず、「意見やアイデアを聞く文化」は変わらずにあると思います。

素晴らしいですね!それでは最後に、読者のみなさまへ一言メッセージをお願いします。

小浜 : とにかく多様な人にジョインしていただきたいです。システム開発と一言で言っても、様々な視点が必要です。就職情報サービスや転職情報サービスも、これからますますZ世代の利用が増えていく中で、本当に現在のままのサービスで良いのか?といった議論を加速させる必要があります。
ですので、ぜひベンチャー感を楽しめる人に来ていただきたいと思います。後悔させるような土壌ではないことだけは、お約束いたします。

編集後記

マイナビと聞くと「大企業で物事を慎重に進める会社」とイメージされる方がいるかもしれませんが、実は別件でお仕事をご一緒したことがありまして、要所要所で驚くほど意思決定が早く、また思い切った決断をされることが多いという印象が、私にはあります。まだ会社が毎日コミュニケーションズで、社員数も200名ほどのベンチャー企業だった頃を知っている方だからこそ、現在でもそのマインドが脈々と受け継がれているというお話を聞けたのは、なんとも素敵なお話だなと感じた次第です。

取材/文:長岡武司

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