Dear Great Hackers

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子育ても仕事も、楽しむ。リクルートコミュニケーションズ、エンジニア組織の在り方。


近年、アドテクノロジー分野における広告配信の自動最適化やマーケティングテクノロジーの技術開発に臨むリクルートコミュニケーションズ(以下RCO)のエンジニア。他社に先駆けて最先端の研究開発にも積極的に投資・注力しており、「最適化手法の確立のために量子アニーリングの研究を本格化する」というトピックで昨年、大きな注目を集めました。

こうしたマーケティング・コミュニケーションの価値を最大化する技術開発は、技術を追求したいエンジニアにとってチャレンジのしがいがあるテーマであること、またRCOには、“生涯コーディングのキャリア”に惹かれて入社を希望するエンジニアも多いのだとか。

エンジニアの入社試験であるコーディング課題には制限時間を設けず、アルゴリズムを思考させるユニークな問題を起用するなど、組織の価値として、一貫してエンジニアがコードを書くことにこだわり続けるカルチャーが窺えます。

この記事では、個々のパフォーマンスの高さとスキルの幅を強みとして、日々、開発に取り組んでいる3名のエンジニアに登場いただき、RCOのエンジニア組織についてお話を伺いました。

今回は3名ともに子どもを持つエンジニアということで、“子育て”を通じた多様な働き方と組織の在り方を中心に掘り下げていきます。

子育てを通じて、新しい学びを得る
エンジニアが最も価値を出せる働き方ができる
仕事にコミットしながら育児に向き合う

プロフィール

阿部直之(あべ・なおゆき) Naoyuki Abe
マネージャー/プロダクトアーキテクト
2011年にSIerから転職。アドネットワークプロダクトを牽引し、マネージャーへ昇格。
2016年10月に第一子が誕生。

 

山本哲生(やまもと・てつお) Tetsuo Yamamoto
マネージャー/テクニカルリード
2015年にゲーム関連会社から転職後、マネージャーへ昇格。
2018年1月に第一子が誕生。

 

棚橋耕太郎(たなはし・こうたろう)Kotaro Tanahashi
リードエンジニア
2015年に新卒で入社。機械学習に関連した広告システムを開発。量子アニーリングの共同研究に従事。
2017月12日に第一子が誕生。

 

子育てを通じて、新しい学びを得る

「子育てや家事についても、仕事と同じように全体を俯瞰して効率的に処理する考え方にシフトした」と話す阿部さん。

──2016年にRCOでは、男性の育児休暇の取得を必須化にする発表がありました。発表から2年経って、職場はどのような雰囲気なのでしょうか。制度が導入されたことで変化はありましたか?

阿部:家庭を持っている男性エンジニアの大半は、子育てに積極的に参加している印象があります。チャットでも「保育園のお迎えに行くので早めに帰ります」などのメッセージは普通に見ますよ。

棚橋:「小学校の消防訓練に参加します」とかもありますよね?

阿部:子どものイベントや学校行事の参加率も高いよね。この組織では、元々プライベートを大切にする文化が根付いているので、以前から子育てに参加する男性はいました。でも、会社として育児休暇を必須化にしたことで、子育てに積極的に参加する社員が増えたのではないでしょうか。

──後ほどRCOの制度について詳しく聞かせてください。まず、お三方が子どもを持つにあたって、働き方を変えることを意識したのはどういったタイミングだったんでしょうか。

阿部:僕は子どもが生まれてからですね。もうガラッと変わりました。もともと僕は夜型の人間だったんです。でも、子どもが朝6時には起きるので、僕もその時間に合わせて起きるようになりました。朝起きたら朝食を用意して、一緒に食べてから出社。出社前や帰宅後に自分ができることをしています。

棚橋:妻の妊娠が分かったタイミングです。妊娠関連の行事に参加したり、区が開催している父親・母親向けの教室で勉強したりと休日の過ごし方が変わりました。皆さんそうだと思うんですけど、子どもの保育園探しが大変でしたね。妻が早期復職を希望していたので、僕は毎日保育園にテレアポしているような状況で。午前中は保育園に行って、午後から出社するような働き方でした。

──山本さんは転職で入社されていますが、いかがでしたか?

山本:一般的に育児休暇の相談を上長にすると「ちょっと待って欲しい」って話になりがちですよね。RCOに入社して、子どもができて阿部さんや上長に相談してみると、いろいろな選択肢が用意されていることに気付きました。仕事に集中してもいいし、積極的に育児に参加してもいい。僕は積極的に育児に参加する道を選びました。

──子どもができると自分のために使える時間が減ったり、生活リズムが変わりますよね。積極的に育児に取り組んだことで生まれた、内面の変化などはありますか?

阿部:子どもが寝てから勉強したりはしていますけど、正直時間はかなり減りました。その分、時間の使い方も工夫するようになったので、得たものも多い気がします。

例えば家事。単発のタスクがたくさんある中で、スムーズにこなしていく必要があります。効率的に進めるためには組み合わせを意識する必要もありますし。最初は妻からのフィードバックも辛辣なものばかりでしたが、コツを掴んでいくことで徐々に評価が変わってきました(笑)。

家事を通じて学んだのは、効率性に対する意識だと思っていて。これまでもプロジェクトにGit Flowやスクラム的なタスク管理を導入するなどして、開発環境を改善するような取り組みはしていたのですが、家庭内のタスクについても前工程、後工程などでタスクの組み合わせを考えるような、全体を俯瞰して効率的に処理する考え方にシフトしましたね。

それと先日、棚橋君と話していたんですけど、0歳の子どもと接するのって「強化」や「分類」など機械学習の歴史を見ているような感じだなって。

棚橋:そうですね。僕の子どもは「物体認識」ができるようになった段階です(笑)。まだクラス分類はできていなくて、誰が誰かは分かってなさそうですけど。

阿部:もうちょっと経つと、分類できるようになると思うよ。その後はメガネを装着していても分類できるようになって、「進化した!」って瞬間が来る(笑)。山本さんのところはどう?

山本:うちはまだ何も反応ないですね。毎日泣いてるだけです(笑)。

──子育てから機械学習の話題になるのはまさにエンジニアな感じですね(笑)。棚橋さんは子育てに関してはいかがですか?

棚橋:僕は子育てもハックできるなと思っていて。最初は家で仕事をする時に、抱っこ紐をつけて挑んでみたりしました。でも、もぞもぞと動いたり、泣き出したりで全然ダメでしたね。そこから子どもが泣いてる状況を検証すると、ある特定の条件下では泣かない確率が高いことが分かってきて。ちゃんとロジックを組んで物事を運べば成果は出るんだなと思いました。

あとは海外で個人の方が作っているIoTデバイスを試してみましたね。それは、カメラを実装したRaspberry Piなんですけど。ディープラーニングを活用して、「今、起きているのか?」、「泣いているのか?」などが分かるように子どもの状況をモニタリングしていました。子どもの状態をグラフに集計して、今日は比較的よく寝てたなとか考察したり。監視っぽい感じになっちゃうので、今は止めてしまいましたけど(笑)。

──山本さんはいかがでしょう?

山本:僕は情報取得の方法が変わりました。それまではチャットでコミュニケーションを取る時に、自分から情報収集をしていたんです。ただ、時間効率を考えるとそれを継続するのが難しいなって。そこで、メンバーから情報を届けてもらうようにコミュニケーションの形を変えてみました。どうしても仕事や勉強に使える時間は減ってしまうので、自分が仕事に関わる時間の使い方を変えるというか。メンバーと支え合いながら、働き方を調整していますね。

また、マネージャーの仕事って育成が重要ですよね。子育ても育成なので、それが自分にとっても学びがあるし、すごく楽しいんです。マネージャーの仕事にも役立つヒントがありそうです。

それからコミュニケーションの在り方も考えるようになりました。例えば、仕事だと論理が大事なんですけど、子育てをしている状況では、妻とのコミュニケーションなど、論理だけではうまくいかないケースもあります。なので、感情にも配慮したコミュニケーションが重要になってくるんです。最近は仕事においても論理だけじゃなくて、感情面も踏まえたコミュニケーションを心がけるようになりました。

エンジニアが最も価値を出せる働き方ができる

育児休暇で20連休を取得した山本さん。子どもが生まれた直後は大変で「とても助かった」のだそう。

──子育てに取り組むことで皆さん、いろいろな気付きがあったようですね。これまでのお話を伺うと、RCOの制度がエンジニアの現場でうまく実践されているように思いますが、いかがでしょうか。

阿部:RCOでは2016年1月に男性の育児休暇取得の必須化が発表されたのですが、その前からリモートワークとフルフレックスタイム制の2つの取組みが行われていたんです。これらの仕組みによって、時間と場所に縛られない働き方を可能にする風土が、特にエンジニア組織では浸透していました。実際、育児休暇の制度についても20日連休にする人もいれば、分割して取得する人もいます。

僕の育児休暇はリモートワークと組み合わせて分割で取得しました。午前中は子どもの面倒を見て、午後から出社して、夕方以降は自宅で仕事みたいな働き方ですね。

山本:僕は2018年2月に20連休を取得しました。振り返ると、これは本当に助かりました。もしも、これがなかったら家庭崩壊が起こったかもしれないくらい。子どもが生まれた直後は本当に大変で。やっと寝たと思ったら、15分後に泣き出したりとか。とてもじゃないけど、仕事ができる状況ではなかったので。

──マネージャーが1カ月不在という状況もあるのですね。

山本:そうですね。事前に阿部さんや上長に相談したのですが、すごく協力的にサポートしてくれたんです。会社全体として育児休暇の取得は義務だし推奨されている。誰かのライフステージが変わったタイミングで、周りもサポートを意識する。思い返すとすごく感動的なことだなって思います。

──約1カ月ぶりに戻ってみていかがでした?

山本:戻る時にも、プロジェクト管理ツールでそれまでのログはチェックできましたし、チャットツールで社内の状況も遡って追うこともできたので、そこまで大きな乖離はありませんでした。もともとリモートワークの環境もありましたし。育児休暇の取得中も社内の状況を追う時間だけは取っていたので、スムーズに戻ることができました。

阿部:育児休暇取得が必須化される前から、リモートワークの文化があったことが大きいですよね。

山本:そうですね。

棚橋:僕は子どもが生まれるまで、実はリモートワークをしたことがなかったんです。正直、僕としては「会社で集中したほうが効率いいでしょ?」って思っていて。でも、リモートワークせざるを得ない状況になってみて、使ってみたらものすごく便利なシステムだなって気付きました。

実際、社内にいてもチャットでコミュニケーションが完結しているケースもありますよね。僕が携わっている量子アニーリングの研究開発についても、コミュニケーションは基本チャットですし。もちろん定例ミーティングなど、直接顔を合わせるやり方がいい状況もあるのですが、それ以外はリモートワークでも問題ないと思っています。

阿部:オンライン/オフラインを皆が上手に使い分けていますよね。RCOでは、それぞれのエンジニアが1番働きやすい方法を選択しているのが特長だと思うんです。エンジニアが最も価値を出せる働き方として、状況に合わせてリモート・会社などの環境を選択してもらってるような感じです。

──リモートワークを導入したものの、なかなかパフォーマンスが上がらないという声もあります。その点から見て、RCOのリモートワークが機能している理由はどのような理由があると思いますか?

山本:リモートワークを使っても成果が落ちない理由としては、事実に基づいて、何をクリアしたら評価が上がるのかという評価制度が明確だからだと思います。なんとなく残業して、頑張っているように見える人が評価されることはありません。アウトプットの成果に応じて、評価を決定する。そうした前提なので、場所や時間に縛られない働き方ができているんです。

阿部:なるべく労働時間を減らした上で、生み出す価値を高めて欲しいと思っているので「時給を上げてください」って話をよくしていたりしますね。僕としては、リモートワークって、あくまで手段だと思っていて。「働く場所」という意味での手段は何を選択してもいい。ハッキリ言ってしまえば、仕事でパフォーマンスを出して欲しいだけなんです。滅多にないですけど、リモートワークで成果が出ないメンバーには社内で仕事をするように指導するケースもあります。

──RCOのエンジニア組織では平均労働時間を年間1900時間以内にするという取り組みもしていると。

阿部:そうですね。毎日長時間の残業なんてしていたら、どんどん疲弊していくじゃないですか。これって長期的な目線に立てばパフォーマンスが落ちることにつながると思いませんか? 仕事の効率を考えていくと、無理な残業なんてしないほうがいいんですよ。

仕事にコミットしながら育児に向き合う

「仕事と育児の両立に関してアドバイスをもらえる先輩たちの存在がありがたい」と語る棚橋さん。

──ベストパフォーマンスを出し続ける環境を提供するRCOと、RCOの制度を上手に活用するエンジニアの双方の協力で作られている働き方なんですね。

阿部:これまで育児と仕事って、二者択一になることが多かったですよね。妻に任せっきりになったり、自分が育児休暇を取って仕事を休んでしまったり。ただ、僕たち3人をはじめRCOのエンジニアは育児と仕事の両方に、できる限りコミットしたいと思ってます。

例えば、時短勤務では働く時間が制限されてしまうという一面もある。仕事であえてアクセルを踏みたい時もあったりするので、こういった時になんとか頑張れる環境にしたいと思っています。バランスを取ることは難しいですが、組織としてチャレンジする価値はあるかな? と。

また繰り返しになってしまいますが、このエンジニア組織の場合、育児休暇の取得必須化が発表される前から、リモートワークとフルフレックスタイム制が根付いていたことが大きいです。時間と場所をある程度柔軟にできる文化が、誰かが育児休暇を取得してもパフォーマンスが落ちない組織になっていたというのはあると思います。

山本:ベビーシッター利用補助制度とかもありますよね?

阿部:そうだね。多種多様な働き方を支援する各種制度を組み合わせ使うことで、仕事にコミットしながら子育てにもちゃんと向き合えています。シリコンバレーでは「ワーク・ライフ・バランス」ではなく、「ワーク・ライフ・インテグレーション」って表現もあるみたいですけど。これとは少しニュアンスも変わる部分がありますが、ワークとライフを調和させて、双方充実させるというか。そんな働き方がこれからの当たり前になるのではないでしょうか。

個人的にはキッズスペース付きのサテライトオフィスが最高ですね。子どもが無邪気に遊んでいるのを見ながら働ける環境は素晴らしいですよ。

──いい環境ですね。

山本:育児をサポートする制度もそうなのですが、全社的に「こうあるべき姿」をゼロベースで考える風土があるんです。従業員満足度が向上する施策を会社が行うことで、僕たちは仕事により集中できるわけで。

棚橋:僕は仕事と育児を両立している先輩たちの存在がありがたいです。育児に関するアドバイスもたくさんいただいているので。また、時間に縛られずに、働きたい時に働けるのはいいですね。僕のように研究開発をしていると、アイデアが生まれた瞬間が大事だったりもしますから。

阿部:僕たちは仕事も子育ても一生懸命やりたいタイプですけど、中には仕事だけに集中しているエンジニアもいます。それぞれの価値観を押し付けることなく、うまく融合していると思います。

つい先日もRCOのダイバーシティを推進する組織と打合せをしたのですが、まだまだ新しい制度が生まれていくみたいです。これからも多様な働き方に取り組んで、それぞれのエンジニアが気持ちよく働ける組織作りを進めていきたいですね。

いかがでしたでしょうか。子育てサポートを含めたダイバーシティ・働き方改革に関する施策は、会社からのお仕着せや社員の頑張りだけでは、なかなか制度や文化として定着しません。
双方の協力があってこそという実例として、とても参考になる話でした。
エンジニアをはじめとした従業員のパフォーマンスを最大限に発揮するための取り組みを推し進めていくRCO、またこのエンジニア組織に興味をお持ちになった方は、ぜひこちらからご覧ください。

 

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