Dear Great Hackers

  1. インタビュー
  1. タイアップ

「なに!?ハスケル子ちゃんからワイに相談やと!?」feat.やめ太郎

唐突ですが、Qiitaを利用している株式会社ゆめみ(以下、ゆめみ)のエンジニアというと、このイラストを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

そう、ワイ記法でおなじみの無職 やめ太郎(本名)さん(以下、やめ太郎さん)です。

今回は、やめ太郎さんに「ゆめみの制度は現場から見てどうなのよ?」ということから、エンジニアになった経緯やQiitaに記事を書くモチベーション、わかりやすい記事を書くコツまで、彼の記事に登場する『ハスケル子』との会話形式で語ってもらいました。

プロフィール

無職 やめ太郎(本名)
株式会社ゆめみ フロントエンドエンジニア
コールセンターやホームページ制作会社を経て、2019年ゆめみに入社。同社ではフロントエンドエンジニアとして、企業のDX推進における開発領域に携わっている。
独特の記法でQiitaで人気を博しており、Contributions数は約30,000(2020年7月現在)。

~ある日の休憩時間~

ハスケル子「はぁ…」

やめ太郎 「どうしたんや、溜息なんてついて」

ハスケル子「あ、やめ太郎さん。いつまでもインターンではいられないので、将来のことを最近考えていて…。Haskellがかけるしエンジニアになろうかなとは思うんですけど。少しお話を伺っても良いですか?」

やめ太郎 「ええで」

ハスケル子「ありがとうございます!早速ですが、まず、やめ太郎さんがエンジニアになろうと思った理由はありますか?」

やめ太郎 「ギターが好きで自分でホームページを作ろうとしたのがキッカケやな。エンジニアになろうと思ったのは30になってからや。ギターの画像をクリックしたら音がなるような、楽器屋で試し弾きしているようなサイトを作るために JavaScript を勉強したんや」

ハスケル子「最初からエンジニアではなかったんですね」

やめ太郎 「せや。コールセンターに約7年勤務して、そこでの最後の1年くらいの頃にホームページを作ったんやけど…これ楽しすぎるやろ、これを仕事にせなあかん!って思って転職したんや」

ハスケル子「そんな簡単に言いますけど、30代で実務未経験だと転職はなかなか厳しかったんじゃ?」

やめ太郎 「せやな。半年か1年近く無職で Web サイト作りの勉強して、Web制作会社にアルバイトで入るまでに50社以上受けて落ちたで。面接さえしてもらえないこともあったな」

ハスケル子「やっぱり…。それでも諦めなかったということは、これを仕事にしたいっていう気持ち以外にも何かモチベーションがあったんですか?」

やめ太郎 「 作ったサイト、ジャズマスター.jp を“こんな面白いサイト見たことないです!″みたいに人に褒めてもろたことかなぁ。Qiitaの記事もそうやけど、褒められるとモチベーションに繋がるんや」

ハスケル子「それでモチベーションを保って、Web制作会社に入ったんですね」

やめ太郎 「せや。Web制作会社で3年くらいコーダーとして働いて、次に入った会社がゆめみや」

ハスケル子「へー。Web制作会社をやめてからゆめみに入社するまでの期間は何をしてたんですか?」

やめ太郎 「会社やめ太郎や」

ハスケル子「え???」

やめ太郎 「ゆめみに入るまで約8ヶ月、paizaで転職活動をしながら勉強したり、Qiitaに記事を書いてたんや。無職で」

ハスケル子「奥さんには怒られなかったんですか?」

やめ太郎 「多分、何考えてるんやこいつと思われてたと思うで。でも、履歴書書いて、面接受けて、思ってもない志望動機話して就職活動しても、ワイに合った会社に入ることは出来ないやろなーと。はよワイを見つけてや?って企業から声がかかるのを待ってたんや」

ハスケル子「それで…声は掛かったんですか?」

やめ太郎 「いや。どこからも声は掛からんかった」

ハスケル子「アウトプットしていたら転職に有利とよく言われますが、現実は甘くないんですね。そこからどうやってゆめみに入社したんですか?」

やめ太郎 「2018年のクリスマスイブに、誰かクリスマスプレゼントに仕事をくれや~ってTwitterでつぶやいてな。声を掛けてくれたゆめみのカリポリ君と翌日にご飯食べに行って、面接まで繋いで貰ったんや」

やめ太郎 「カリポリ君とはカリポリ君のQiitaの記事にコメントしたことで知り合って、そこからTwitterで相互フォローをするようになったから、ある意味Qiita転職やな」

ハスケル子「無事にゆめみに入社して、会社やめ太郎から無職やめ太郎になったんですね」

やめ太郎 「せや。面接官が技術者だったから、Qiitaに記事を書いていたことが評価されたんやと思う。あと評価されたのは多分学ぶ姿勢かな。2次面接は技術について聞かれて分からんを連発してもうたし」

ハスケル子ゆめみではアウトプットを大事にしていますもんね。そういえば、やめ太郎さんがゆめみで何やっているのかよく分かっていないんですけど、実際はなにをしているんですか?」

やめ太郎 「フロントエンドエンジニアとして、VueやReactを使ったシングルページアプリケーションを作ったりしているで。…ハスケル子ちゃん、ワイのこと何だと思っとったんや」

ハスケル子「ただQiitaに記事を投稿している人かと思ってました」

やめ太郎 「ひどい」

ハスケル子「すみません。でも、やめ太郎さんと言えばQiitaのイメージなので」

やめ太郎 「否定できへん」

ハスケル子「Qiitaには2018年から記事を投稿していますよね。Qiitaに記事を書いてみようと思ったキッカケはありますか?ほかのサービスでアウトプットしている方もいますけど」

やめ太郎 「ランク上げつつpaizaで毎日勉強してたんやけど、ちょうどその頃勉強していたオブジェクト指向が流行っていて、Qiitaに記事を書いてみようと思ったんや。当時、技術的なアウトプットをするならQiitaやろと思ってたんやけど、その後他に移らんかったのは書きやすさかな」

ハスケル子「最初からワイ記法で書いていますが、なんでワイ記法で記事を投稿しようと思ったんですか?」

やめ太郎 「こう書くとな、記事を読んでる人もワイが理解したプロセスを追体験することが出来るんやないかなぁと。単にわかったことだけを書くよりも、わからない→わかったの過程を記事にしたら、スッと内容が頭に入ってくるんちゃうかと思ったんや」

ハスケル子「とは言え、普通に投稿するよりハードルが高いような。ワイ記法で文章を書くコツはありますか?」

やめ太郎 「ワイはあまり難しいと思ったことは無いんやけど、コールセンターでの業務経験が生きているんとちゃうか?コールセンターでご年配の方にもインターネットの繋ぎ方なんかを説明しとったんやけど、この伝え方なら伝わるだろうと思って話しても誤解されてもうて、そういうお客さんからこういう説明だとこういうところで躓くんやなというフィードバックをたくさん貰ったことが大きいと思うで」

やめ太郎 「あとは、バンドで歌詞を書いとったのが、自分の考えを俯瞰して見つめて言葉にする訓練になってたかもしれへん」

ハスケル子「なるほど…。記事をわかりやすくする工夫として比喩もよく使いますよね。独特で頭にこびりついて離れなくて。そのアイディアってどこから来るんですか?」

やめ太郎 「こびりつくとは何や!」

ハスケル子「電車で移動中にうっかりやめ太郎さんの記事を読んだら、比喩が面白くて笑ってしまって恥ずかしい思いをしたんですもん」

やめ太郎 「それはごめんやで。『ダウンタウンのごっつええ感じ』の影響かもしれんな。うまく例えられるとカッコ良いみたいな。あんま意識してないんやけれど、それが頭にあって例えたがってまうのかも」

ハスケル子「あれを無意識に書いていたとは…。記事が読みやすいからかよくトレンドに入っていますが、あまり読まれなかった記事ってあるんですか?」

やめ太郎 「最初のほうに書いた記事は全然いいね付かなかったで?1記事に30いいねみたいな感じや」

ハスケル子「やめ太郎さんにもそんな頃があったんですね。いいねが付くようになったキッカケはありますか?」

やめ太郎 「キッカケはこの記事やな。この記事に600いいねくらい付いてバズったんや。それまでも何人かが、めっちゃ面白いです!と言うてくれていたのがモチベーションになって、Qiitaやめ太郎にはならずに済んだんや」

ハスケル子「それが今やユーザーランキング7位はすごいですね!!ランキングに入ってから、何か変化はありましたか?」

Qiitaユーザーランキング(2020年7月13日現在)

やめ太郎 「ランクインはこっそり狙っておったから純粋に嬉しかったし、会社の人が自分のことを知ってくれるから話すきっかけになっているで」

ハスケル子「Qiitaと言えば、いいねがLGTM(Looks Good To Me)になってから何か影響や変化はありましたか?」

やめ太郎 「LGTMは承認みたいな印象があったから、押してもらえなくなるかもと思っとったけど大丈夫だったで。でも、読んだ人にとってよりプログラミングの勉強になる内容を投稿しようという意識は芽生えて、自分だったらLGTMを押しちゃうなという記事を書いているんや」

ハスケル子「完全に適応していますね。バラつきはあれど結構な頻度で記事を書いてますが、記事を書くためのインプットはどうしているんですか?今は会社やめ太郎じゃないですし」

やめ太郎 「今はゆめみで案件をやるたびに自然に勉強になっていて、特に意識しなくてもインプットできる環境になっているんや。分からないことはSlackで聞きやすい雰囲気やし」

ハスケル子「仕事しているだけでインプットが出来るようになったことは、ゆめみに入って良かったことですかね」

やめ太郎 「せやな。前職はエンジニアが2人しかいなかったり、使っている技術がレガシーだったり。ゆめみでは、好きな技術や新しいライブラリについての話ができるのも嬉しいな」

ハスケル子「そう聞くとゆめみで働くのはすごく楽しそうですが、ゆめみに入る前と入った後でギャップはありましたか?転職って、いざ入ってみたらミスマッチだったという話をよく聞くので…」

やめ太郎 「色々おもろい制度はあるけれど、想像以上に普通の会社だと思ったなぁ。入社後のミスマッチは起きにくいと思うで。ワイが面接を受けた頃は最終面接で小一時間ひたすら代表の話を聞いたんやけど、合わない人はその段階で合わないとお互いに感じるはずや。今はかなり簡素化されて1時間もかからへんみたいやけどな」

ハスケル子「確かに、片岡代表は会社批判という文化を推奨していますし、考え方が合わない人がずっと話を聞いていたら顔に出そうですね。あ、やめ太郎さん的会社批判ってありますか?」

やめ太郎 「使いたい制度やルールだけ、使いたいときに使えば良いって代表が言うてるからええんやけど…新しくどんどん増えていくのでついていけないっちゅうのがワイからの会社批判やな」

ハスケル子「(ドヤ顔するところじゃないような)ちなみに、やめ太郎さんが好きなゆめみの制度ってありますか?」

やめ太郎 「有給取り放題制度と給与自己決定制度かな」

ハスケル子「その2つは社外の人にも有名な制度ですよね。具体的にどういったところが好きですか?」

やめ太郎 「有給取り放題制度は、年次有給を使い切ったらおかわりを貰えるような制度なんやけど、子育てや介護をしないといけない人はこの制度があると安心できるからな。給与自己決定制度は、なんか自分と向き合うって感じでええなと思う。よう分からん評価制度で給料を決められるんやなくて、自分で自分の価値を決めるんや。ワイはよめ太郎と4歳娘を養えればそれでええねんけど、若くても成果を出せれば給料を増やせるから、活用している人は活用していると思うで」

ハスケル子「有給も給与も青天井ですが、突拍子もないことを言う人はいないんですかね」

やめ太郎 「おらんかなぁ。あとは、給与以上に頑張っていた人が他薦で特別手当がもらえるのもええな。給与以上の頑張りっちゅうのは、例えばワイのようにたくさん情報発信することや」

ハスケル子「まさか、インセンティブ欲しさにQiitaに投稿を…?」

やめ太郎 「そ、そんなわけないやろ!(汗)あ、あとワイはあまり使わないんやけど、勉強し放題制度もあるな」

ハスケル子「そうですよね、やめ太郎さんはそういう人じゃないって信じていました!でも、正直意外です。勉強用に本を買ったりしないんですか?」

やめ太郎 「ワイはほとんど文字が読めないからな…。制度を使っている人は海外のカンファレンスに行くのに使う人もおるし、陶芸教室に通った人もおるで。申請されたものについては社内でレビューをしておるから、5,000兆円欲しい!みたいなとんでもないものは通らへんと思うけど」

ハスケル子「陶芸はセーフなんですね」

やめ太郎 「色々なお客さんに接するから、様々な経験が仕事に活きると捉えることが出来るし、代表も全ては学びに繋がるって言うてるからな」

ハスケル子「……やっぱり、ゆめみはちょっと独特かも。あ!すみません、話がだいぶ脱線してしまいました」

ハスケル子「話を戻すのですが、やめ太郎さんには今後のビジョンはありますか?」

やめ太郎 「せやな。今後はPMになっていくのかなというイメージや」

ハスケル子「PMですか!?やめ太郎さんがエンジニアになった理由とは結び付きにくいと思うのですが…」

やめ太郎 「確かにそうやな。ワイも今までは実装だけやりたいと思っていたんやけど、最近は窓口的な役割になることもあって、それを楽しいと思えるようになったんや。Qiitaに記事を書いたことでテキストコミュニケーションスキルも向上したし、リモートワーク時代に調整役として力を発揮できるんやないかと思うんや」

ハスケル子「現時点では自分には合わないと思っても、仕事をしていくうちに楽しくなる場合もあるんですね」

やめ太郎 「せや。ワイも目の前のことにがむしゃらに取り組んできただけや」

ハスケル子「なるほど…。とても参考になりました。ありがとうございます!私もとりあえず目の前のことに一生懸命に取り組んでみます」

やめ太郎 「少し参考になったみたいで良かったで。他にも聞きたいことがあったらなんでも聞いてや」

ハスケル子「では、あと1つだけ」

やめ太郎 「なんや」

ハスケル子「休憩時間はとっくの昔に終わっていますが、大丈夫ですか?」

やめ太郎 「大丈夫なわけないやろ」

〜おしまい〜


関連記事