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  1. タイアップ

ソリューションやノウハウを再利用してDXを加速させる!日立のLumada Solution Hubがめざす世界観とは

現在、様々な領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進展し、アナログだった商習慣を変革するプロジェクトが各所で盛んに発生しています。

それに応じて多くのデジタルソリューションが登場し、それらを活用したユースケースも爆発的に増えています。一方で、どのようなソリューションが存在し、自社に最適なものはどれなのかが分かりにくい状況も生まれています。

今回は、そんなDXプロジェクトを進める上での課題を解消する日立製作所の「Lumada Solution Hub」について取材しました。具体的にどのようなビジネスモデルで、どのようなサービス内容となっているのか。開発を担当する若手メンバー3名に詳しくお話を伺いました。

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プロフィール

鎌田 元樹(かまだ もとき)
株式会社 日立製作所
サービス&プラットフォームビジネスユニット アプリケーションサービス事業部 Lumada事業推進本部 LSH事業推進センタ
2015年4月、日立製作所に入社。大学では分散システムに関する研究室に入り、ネットワーク関連の研究としてOpenStackを用いたプライベートクラウド環境の構築などに従事。入社後はクラウドサービス事業部の基盤開発本部にて、データベースの設計や課金処理に関する運用ツールの作成・改善を担当した後に、インフラやOS周りの設計に従事。2019年からは現在の部署に異動し、Lumada Solution Hubサービス担当として、主にリポジトリを中心に開発を進めている。

 

土井 寿人(どい よしひと)
株式会社 日立製作所
サービス&プラットフォームビジネスユニット アプリケーションサービス事業部 Lumadaソリューション推進本部 LSH事業推進センタ
2015年4月、日立製作所に入社。大学では電子工学科に所属し、無線通信領域における複数アンテナ対複数アンテナ通信の研究に従事。入社後は、データ連携に関するソリューションアプリの開発や、電力事業会社向けWebアプリの開発を担当。2019年から現在の部署に異動し、Lumada事業全体のポータル開発を主務としつつ、Lumada Solution Hubのソリューション情報登録部分のシステム開発も進めている。

 

大山 拓海(おおやま たくみ)
株式会社 日立製作所
サービス&プラットフォームビジネスユニット アプリケーションサービス事業部 Lumadaソリューション推進本部 LSH事業推進センタ
2017年4月、日立製作所に入社。大学では数理モデルの開発として、主にBA(Barabási-Albert)モデルの拡張に関する研究を行う。入社後はアプリケーションサービス事業部にてCI環境の構築やBIツールの構築に従事。2021年からは、Lumada Solution Hubのポータル部分の設計開発に従事。Certified ScrumMasterⓇの資格を有していることから、プロジェクトにおけるスクラム開発をリードしている。

 

様々なソリューションの機能を部品化して利活用を促進するLumada Solution Hub

――Lumada Solution Hubについて伺う前に、まずは日立製作所が取り組むLumadaについて教えてください。

鎌田 : “Lumada”は、これまで日立がお客さまとの協創を通じて培ってきた様々なノウハウをベースに、社会やビジネスの多様な課題解決を実現する「先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジー」の総称です。シンプルに言うと、お客さまが持つOTアセット(Operational Technology)とITアセット(Information Technology)双方のデータを融合させ、価値を生み出していくというものとなります。

鎌田 : ここではLumada事業の展開を加速するための施策のうち、「Lumada Innovation Hub」「Lumada Alliance Program」「Lumada Solution Hub」の3つを説明します。

鎌田 : Lumada Innovation Hubは、お客さまやパートナー同士の知恵やアイデアを掛け合わせるための協創の場で、そのフラグシップ拠点として2021年4月に「Lumada Innovation Hub Tokyo」を開設しました。また、Lumadaが掲げる協創の実現に欠かせないパートナー制度がLumada Alliance Programです。

そして、協創や日立社内の取り組みで得られた知見や蓄積されたノウハウをもとに構築された多様なソリューションからお客さまに最適な形で活用し、そこから新たなソリューションを開発して、また蓄積していくというサイクルをエンパワーする仕組みがLumada Solution Hubになります。

日立が持つ様々なソリューションの機能を一種のモジュールのような形で部品化し、用途に応じて使いやすい形で提供するというものです。

ポータルから必要なソリューションを検索して実装を進める

――皆さまはこの中でもLumada Solution Hubの開発に携わっているということで、その具体的な使い方について教えてください。

大山 : Lumada Solution Hubはブラウザベースで構築されているので、まずはポータル画面から進んでいただくことになります。
ポータルには日立グループやパートナー企業が持つソリューションやその部品となるAPI・パッケージなどが登録されており、その中から検索をして自社に必要なソリューションを探していただきます。気になるソリューションが見つかったら、今度はSI(システムインテグレーション)を支援するサービスを活用しながら実装を進めていくことになります。

――ポータルがサービスの入り口になるということですね。どのようなユーザーを想定されているのでしょうか?

土井 : 再利用可能なソリューションを活用して、お客さまのDX事業を加速化させたい、ソリューション同士の掛け合わせなどで新たな価値創出を検討したいと考えている営業やSEなどのインテグレーターを想定しています。またソリューションの所有者であるユーザーが、ソリューションを登録するパターンもあります。

――ユーザーが登録されているソリューションを選択したら、今度は日立のSIサービスを活用するとのことですが、どのようなサービスがあるのでしょうか?

鎌田 : 主なサービスは下記の3つです。
1つ目は「SaaS開発環境サービス」という、Lumada Solution Hubに掲載されているソリューションを実際に使えるようにするための開発環境を提供するサービスです。
2つ目は「リポジトリサービス」ということで、掲載されたソリューションなどを保管しておくサービスになります。具体的にはGitHub*¹やJFrog*²などにバイナリやソースコードの保存などを行っています。それに付随して、保存されているソリューションなどのセキュリティ検査やCI/CD機能の提供なども行っています。

*¹ GitHubは、GitHub, Inc. の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
*² JFrogは、JFrog Ltd. の米国およびその他の国における商標または登録商標です。

土井 : 3つ目は「API管理基盤サービス」です。ユーザーが保有するデータやサービスをAPIで外部公開するためのサービスです。このサービスでは、APIを外部公開する際にハードルとなるセキュリティ、サーバ負荷といった課題解決の支援をします。例えば天気予報の情報を取得するといったAPIが登録されています。
また、Lumada Solution Hubに登録されているソリューションには、それぞれのソリューションをベースとしたSIを支援するための役務サービスも含まれています。利用者は、その役務サービスや、Lumada Solution Hubに登録されているマイクロサービスのテクニカル支援やフレームワークなどを活用することで、効率的にSIを進めていくことができます。

――なるほど。これらの中で、皆さまの役割分担はどのようになっているのでしょうか?

大山 : 私はポータル部分の開発を担当しています。ユーザーが最初に触れることになる場所なので、使いやすいUI/UXを心がけています。

鎌田 : 私は主に、リポジトリを中心に開発を進めています。

土井 : 私は主にソリューション情報の登録機能を担当しています。

蓄積されてきたアセットを「再利用する」という考え方

――Lumadaのエコシステムの中にLumada Solution Hubが必要となる背景について教えてください。

土井 : 特にここ数年は、新たなテクノロジーの出現によって事業環境がスピーディーに変化していると思います。当然、事業者としてはスピーディーな対応が求められるわけですが、実際に1からシステムを構築していくのは非常に大変な作業です。だからこそ、これまで蓄積されてきたアセットを「再利用する」という考え方につながり、Lumada Solution Hubプロジェクトが立ち上がりました。

Lumada Solution Hubでは、ソリューションを部品レベルに分解して組み合わせるような再利用の概念(左)と、SaaS開発環境サービスやリポジトリサービス、API管理基盤サービスのようにシステムエンジニアリング領域のデジタル化を実現する概念(右)の2つの再利用概念がベースとなっている

土井 : 一方でソリューションの再利用をしようとしても、膨大な情報の中からユーザーが求めているものを探すことは容易ではありません。その課題に対して、ポータルで検索性を高めることが有効となります。

――実際にご提供を進める中で、どのような課題があるのでしょうか?

大山 : Lumada Solution Hubはユーザーの利便性や再利用のしやすさを向上し、ハードルの高さを緩和することで巻き込む範囲を大きくしようとしているので、利用開始への調整ごとの多さが目下の課題になっています。既存の商習慣のままでは煩雑な手続きなどが発生してしまうので、そこをなんとかしたいと考えています。

――ちなみに、登録されたソリューションの維持・メンテナンスはどうされる想定なのでしょうか?

鎌田 : セキュリティの担保であれば、JFrogにセキュリティの検査をしてくれる機能があるので、それで担保する形を想定しています。また、ソリューションとして問題なく動くのかという部分については、各登録事業者が動作チェックを実施する環境を用意してご提供しているので、そこで登録時に確認していただくことを想定しています。

――現在どのような領域での活用が多いのでしょうか?

土井 : 閲覧履歴を見る限りでは、工場向けIoTサービスが参照されています。そのなかでも、製造ラインの進捗状況の可視化ソリューションはよく閲覧されています。
日立では特に、OT×ITの融合によるDXソリューションへのニーズが多いので、Lumada Solution Hubへの注目度が高いのだと思います。

別領域で実績のあるソリューションも選択肢に入るように設計を進める

――Lumada Solution Hubがめざすゴールや世界観について教えてください。

大山 : 大きくは3つあるのですが、まずは実績のあるソリューションを入手できる、入手しやすくするという点を意識して改善していく必要があると考えています。Lumada Solution Hubを通じて、自社の課題にフィットしたソリューションを見つけていただき、課題解決のスピードアップをお手伝いできるようにするということです。

また、Lumada Solution Hubは提案から開発・マネージドサービスまでをワンストップで提供するとともに、そこから新たなソリューションを開発して、また蓄積していくというサイクルを継続的にまわしていく仕組みなので、継続管理が前提になります。そのためにも、先ほどお伝えしたとおり最初の煩雑な手続きを可能な限り軽減させ、使用開始しやすいサービスをめざしています。

さらに、選べる商材の幅を広げる取り組みも加速させていきたいと考えています。近しい分野だけからソリューションを探すのではなく、全く別の領域で活用されたものを取り入れられるように選択肢を広げていきたい。ここはまさに、事業領域が多岐にわたる日立だからこそ実現できる部分かなと思います。
今後、ソリューションの登録と利活用を推進して、先に述べたような「新たなソリューションを開発して、また蓄積していく」というLumada Solution Hubのサイクルを早く回していく施策を進めていく予定です。

――直近ではどのようなことに取り組まれる予定でしょうか?

鎌田 : まずは、ソリューションアセットを活用したユースケースをわかりやすく提示することを進めています。具体的にどういう形でLumada Solution Hubを活用し、それによってどのような効果があったのかを、わかりやすくチェックしてイメージできるようなものを想定しています。
また、Lumada Solution Hubの利用の仕方や、リポジトリサービスの使い方などのガイドラインについても、整備と拡充を進めていきたいと思っています。

――皆さまが日立製作所でめざすことやキャリア像についてはいかがでしょうか?

鎌田 : 短期目線では、現在携わっているLumada Solution Hubをもっと多くの方に利用してもらえるように開発を進めていきたいと思っています。
また中長期的な目線としては、新しいプロジェクトを引っ張って行けるようになりたいです。

日立にいると、本当に多様な人との出会いがありまして、特定の技術に詳しい人もいれば、営業としてコミュニケーション能力が高い人、海外経験が豊富な人もいます。Lumada Solution Hubに携わるということは、社内だけでなく社外も含めてそういう面白い方々と出会う機会が多いので、そういうつながりを活かしていきたいと考えています。

――そういうプロマネ的なことは進めやすい環境でしょうか?

鎌田 : そうですね。しっかりと自分がやりたいことをアピールすれば、会社としてチャレンジの機会が得られる風土があると感じています。

――いいですね!土井さんと大山さんはいかがでしょうか?

土井 : Lumada Solution Hubは世の中へのインパクトが大きい取り組みになるので、ニュースなどで取り上げられるのを見ながらニヤッとしたいなと思っています。
中長期的には、お客さまに近い立ち位置でソリューション提案も含めた活動をしていきたいなと思います。

大山 : 私は、入社した時から「技術によって新しい当たり前を作りたい」と言い続けています。社会に対する影響範囲の大きさから日立に入ったという背景もあり、Lumada Solution Hubはまさにそのような自身の思想に沿ったサービスだと感じているので、ぜひ成功させたいと思っています。

そのためにも、まずはポータル機能の担当として、サービスの玄関口として利用者が使いやすい機能を実装していこうと思います。具体的には、フィルター機能や検索機能の精度を向上させたり、商品を利用できるユーザーの制御などの機能を追加したり、ソリューションの利活用方法をわかりやすくするようなガイドラインなどを整備して、定期的にアップデートし、発展のサイクルを加速させていきたいと考えています。

日立は、目標を持っている人にとってはとてもいい環境

――今後一緒に働くメンバーとしては、どのような人に入ってきてほしいですか?

大山 : 開発ではアジャイル開発のスクラム手法を用いているので、自発的に行動できる人や新しい技術に貪欲な人がいいなと思います。自分で着手したいものを考えながら働ける人財じゃないと厳しいと思いますし、違う目線を生み出してほしいなと思います。

土井 : Lumada Solution Hubそのものも、OSSやクラウドサービスなど、様々なサービスで構築されています。最新技術に触れる機会が多いと思うので、常に学びを求める、貪欲さや好奇心が旺盛な方が向いていると思います。

鎌田 : 自分から技術に触れて、それを楽しめる人間であってほしいなと思います。「仕事だから仕方なく」ではなく、やっていて楽しめることは大事なことだと感じています。またLumada Solution Hubに限った話ではないのですが、今後日立ではグローバル展開を加速させていくことになるので、英語が得意なことも強みになってくるかなと思います。

――最後に、読者の皆さまに一言ずつメッセージをお願いします。

鎌田 : 先ほどもお伝えしたとおり、やりたいことがあって継続的にアピールしていれば受け入れてくれる土壌があるので、目標を持っている人にとってはとてもいい環境だなと思います。

土井 : 事業領域が多岐にわたるので、自分の得意領域を発揮できる場所がどこかにあると思います。

大山 : 私が入社した理由でもお伝えしたとおり、社会に大きな影響を与えることができる点が日立のいいところだと思います。開発手法についても新しいアプローチを積極的に採用していて、速度感を重視した開発にチャレンジしているところです。めざしていることを叶えるためのスキルを身につけたい人は、それぞれを経験できる場があるので、興味がある方にはぜひジョインしていただきたいなと思います。

編集後記

世の中には様々なデジタルソリューションがあるので、どこでどのようなユースケースが存在しているのかが分かりにくくなっていると感じます。また、せっかく良いソリューションを見つけたとしても、自社の課題解決に向けてフィットさせるのに苦労をするケースも多くあるでしょう。だからこそ、Lumada Solution Hubで掲げられている2つの「再利用」の考え方は、これからますます必要になってくると感じていますし、日立グループ内展開を超えてスピーディーに一般公開まで進んでほしいなと感じました。様々な事業者を巻き込んでのプロジェクトになっていくことが予定されているので、そのような影響力の大きい取り組みに携わりたい人には最適な環境だと感じます。

取材/文:長岡 武司
撮影:藤田 亜弓


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