Dear Great Hackers

  1. インタビュー
  1. タイアップ

顧客と向き合うために、まずは自分達 と徹底的に向きあう。Reproが実施した LeSS導入について、その当事者が語る

企業と顧客の関係構築を支援する、CE(カスタマーエンゲージメント)プラットフォーム「Repro(リプロ)」。顧客一人ひとりに最適なタイミング、内容、チャネルでのコミュニケーションを可能とする国産SaaSの成長株であり、記事執筆時点で世界66か国7,300以上の導入実績を誇るグローバルサービスでもあります。

そんなReproを開発・提供するRepro株式会社では「クライアントファースト」を行動指針に掲げており、真の意味で顧客と向き合うべく、スクラム体制での組織づくりを推進しています。

「プロダクトにもっとエンジニアの意思と熱意をぶち込んでほしい。そして、それを反映できる組織を作りたい」
そんな思いをもって、チームビルディングのプロによるハンズオンのもと、プロダクトと同様に組織も、日々のリーン改善を繰り返しています。
世界標準も射程圏内に入ってきたReproでは、どのような開発チームづくりを進めているのか。各ステークホルダーの皆さまにお話を伺いました。

プロフィール

中江 和寛(なかえ かずひろ)
エンジニアリングマネージャー
通信機器の組み込み開発、製造業向けのSIer、フリーランスのエンジニアなどを経験。ほぼ未経験の言語/フレームワークのコードレビューを請け負うという謎の仕事をやっていたこともある。iOSもAndroidもほぼ初心者の状態だったが、何故かReproのアプリ向けSDKエンジニアとしてジョイン。4年間SDK開発に従事した後、2019年6月にEngineering Managerとなり現在に至る。一人ひとりが個性を活かして強みを発揮し、個人の集まりではなくチームとして大きな成果をだせる組織を作りたい。趣味は猫。人生の喜びは飯を食うことと移動すること。

 

豊田 聡(とよた そう)
アジャイル コーチ
1996-2006年まで、Konami Digital Entertainmentにてコンシューマーゲーム開発にアニメーター、アニメーションディレクターとして従事。2006-2014年まで、Sony Computer Entertainmentにてコンシューマーゲーム開発のプロデュース、チームビルディング、現場改善に従事。2014-2017年まで、株式会社 Pastoral DogにてAgile Coachとしてお客様のソフトウェア開発のチームビルディングをサポート。2018年から、株式会社SKYS 代表取締役として活動中。SCRUMフレームワークを利用したお客様のソフトウェア開発のチームビルディング、開発支援、組織課題の解決をサポート。1on1コーチングによるお客様の人材育成をサポート。

 

宮下 直行(みやした なおゆき)
エンジニア
広告系のベンチャー、スタートアップ企業2社を経て、2017年にエンジニアとしてReproにジョイン。リーンなプロダクト開発が好き。「良いチームが良いプロダクトを作る」という信念から、最近はチームビルディングを頑張りたいと思っている。趣味はProductHunt等で海外サービス/ツールを漁ること。

 

伊藤 克彦(いとう かつひこ)
エンジニア
2018 年より Web アプリケーションエンジニアとして Repro にジョイン、管理画面や SDK の開発に従事。チームやプロダクトをいいかんじによくすることが最近の関心事。好きな設計原則は「オープン・クローズドの原則」。座右の書は「響け!ユーフォニアム」シリーズ。

 

エンジニアが増えていく中で、プロマネは1人だけだった

――貴社ではスクラム開発体制を組んでいるとのことで、まずはそこに至る背景から教えてください。

中江:大きな背景としては、ここ数年の顧客数増加に伴うシステム開発体制の見直しにあります。
Reproって、元々は動画を使ったアプリの分析ツールだったんです。それが、クライアントへのヒアリングを重ねていくうちに、アナリティクス系の機能やアプリ内機能を少しずつ充実させていき、現在のようなプラットフォームへと進化していきました。機能と顧客数が増えていき、システムに集まってくるデータ量が段違いに上がってくる中で、日々スケールするような仕組みをシステムとして維持し続ける必要があったわけです。
私自身、入社から4年間はSDK開発のメンバーだったのですが、「より変化に適応できるエンジニア組織」を目指すべく、昨年6月からエンジニアリングマネージャーとして活動しています。

――「プロダクトにもっとエンジニアの意思と熱意をぶち込んでほしい。そして、それを反映できる組織を作りたい」というメッセージが、とても熱いですよね。

宮下:これは、現プロダクトオーナーである林が、LeSS(Large-Scale Scrum)を導入することになった昨年3月に、全メンバー向け共有として発信したメッセージです。
ここから現在のエンジニア組織への改善がスタートしました。

――LeSS以前の体制や、それにまつわる課題はなんだったのでしょうか?

宮下:以前は林が1人でプロマネをやっており、カスタマーサクセスからおりてきた顧客の機能要望などが、全て林を通して開発におりてきていました。
エンジニアが増えていく中でプロマネは1人だけなので、1人で抱え切れる限界点を超えていたのはもちろん、顧客の声を開発チームが直接ヒアリングできない組織構造自体が、大きな課題でした。

中江:このままだと適切な機能の開発や改善が難しい。そんな流れから、林に集約していたプロマネの役割を各開発チームに委譲することになり、開発チームが顧客から直接ヒアリングしやすい環境の整備を進めることとなります。
このタイミングで、スクラムマスターとして豊田さんにもジョインしてもらいました。

僕のミッションは、開発組織の改善を開発メンバー自らでやっていけるようにすること

――豊田さんの役割や、ジョインの目的について教えてください。

豊田:僕がReproに参画する際に受けたミッションは、「開発組織の改善を開発メンバー自らでやっていけるようにすること」です。つまり、僕の仕事は、僕がいなくなることなんです。
昨年のゴールデンウィーク前にアサインされたのですが、最初に感じたのは「Reproはスピード感がすごくいいな」ということ。各メンバーの勢いがすごいんですよ。
一方で、立ち止まって振り返るということをやっていたのは、林をはじめとする主要ポジションのメンバーのみでした。周りの人は、それに従ってワーっと突き進んでいくイメージです。

一同:笑

豊田:そこにスクラムやLeSSを入れることで、スプリントレビューやレトロスペクティブなど、振り返るポイントが必ずできる。その中でメンバーは、自分たちの働き方をレビューしていくようになりました。
元々がコンポーネント的なチームの分け方なので、個で仕事をするスタイルだったのですが、考え方をリソース効率からフロー効率へと移行させる必要がある中でどういうコミュニケーションが適切かを、具体的な事例ベースで考えていく必要がありました。

――最初に、どんなことから始められたのでしょうか?

豊田:一番初めは、プロダクトバックログを作ることを目的に、単日で「スプリントゼロ」を実施しました。全部署を対象に欲しい機能を挙げていき、どの部署の誰の提案であっても対等に扱って優先順位づけするというものです。
その上で日々の実践としては、まずはミーティングをもっと円滑に進めるようにしましょうということで、ファシリテーションを導入しました。皆さん、勢いがあるから、勝手にファシリテーションのことを調べ始めて進んでいきましたね。
あとは個人で仕事をしていると、お互いの正義がぶつかることが往々にしてあります。そんな時にどうマネージするか、どう立ち振る舞うかということを考えていくことで、だんだんとチームとして相談しながら物事を進めていく文化を作っていくこともしました。

――マネジメントスタイルがガラッと変わると、戸惑う方も多くなかったですか?

豊田:もちろん最初はそういう方もいらっしゃいますが、他の会社よりも圧倒的に対応が早いですよ。ほんの数回、1on1をしただけで行動が抜本的に変わる。それが元々の文化なんだと思います。

導入1ヵ月で廃止したリーダー職

――色々な試行錯誤を行っていく中で、逆に施策が思ったように機能しなかった事はありますか?

中江:大小様々なケースがありますが、例えばLeSSを導入した時に各開発チームにそれぞれ「リーダー」という役割を置いたのですが、うまく機能せず、1ヵ月で無くしましたね。

――1ヵ月、早いですね。具体的にどんな役割を目指し、何がうまくいかなかったのでしょうか?

中江:リーダー配置の目的は、チーム内のファシリテーションやスクラムの浸透を期待してのことでした。もちろん、配置するかも含めてしっかりと話し合ってのことです。
でも役割像が先行してしまい、リーダーへ負担が過度に集中してしまいました。例えば、ずっとファシリテーション役をやっている、などです。
これによってリーダーの負担だけでなく、実は他のチームメンバーのポテンシャルも、知らない間に潰してしまっていると感じまして、早々に廃止しました。

――リーダー職は失敗だったということですね。

宮下:基本的にうちの会社では、「失敗」という考え方はないです。全ては改善のためのプロセスなので。

――おっしゃる通りですね。一方で「これは面白かった」という施策って、例えばどんなものがありますか?

伊藤:他チームとの交換留学みたいな仕組みは面白かったです。私自身、普段は管理画面やSDKの開発に従事しているのですが、2週間ほど機械学習の専門チームに入りました。

――社内インターンシップみたいですね。どのような気づきがありましたか?

伊藤:当然のことかもしれませんが、チームごとに文化や特色があることを、改めて噛みしめました。自チームでは同じメンバーで1年近くやっていますが、そうすると普段の仕事の進め方や会話の内容に、色々な意味で慣れてきます。
だからこそ他のチーム文化に触れることで、こうやったやり方もあるんだという気づきになりますね。

――基本的に、Reproのチームメンバーって変わらないことが多いのでしょうか?

伊藤:期間的には長く、チームの練度を醸成する観点があると思います。もちろん、チームをまたいで技術伝播していくような存在のメンバーもいますけどね。

――伊藤さんとしては、その経験を経て、チームの流動性は高い方が良いと思いますか?それとも、ある程度固定化した方が良いと感じますか?

伊藤:個人的には、ある程度流動的に変えるのもありなんじゃないかなと思いました。もしかしたら、私自身の飽き性からきているのかもしれませんが。

意思決定と権限を持たせた組織体「チャプター」を新設

――お話を伺っていると、個として強いチームが、より「自律的なチーム」として昇華されていっている印象です。どのようにそのような状態を作り上げていったのでしょうか?

豊田:基本的にやる前に「こうしたほうがいいよ」は言わないようにしていますね。
あとは、今年の頭くらいに「Epicの状態でチームに任せる」というワークショップをやりました。このEpicを皆さんで育てていって、自分たちで開発して実装していってください。ステークホルダーも、自分たちで連絡をとって進めるようにしてくださいね、と。
2日間で、ここ1年でやることを話していくわけですが、そこで案件に対する当事者意識が上がったというのもあると思います。
これは中江さん発案で行いました。

中江:何を目指すのかを伝えて、それを実現するために必要な情報をどんどんオープンにしていけば、あとはみんな自主的に動く。これが大きな学びでした。
ちなみにワークショップの冒頭で、最初にプロダクトオーナーの林が話をしたのですが、当初は3時間の予定が30分で切り上げていました。全部喋っちゃったら、それをやるだけになっちゃうからですね。

――なるほど。そのワークショップ実施から、具体的に組織運営に反映されたことはありますか?

中江:「チャプター」という、特定の技術領域の知見と、意思決定および権限を持たせた組織体を作りました。

宮下:チャプターの前身は、LeSS導入後に作った「コミュニティ」という形態でして、同じく組織を横断して技術単位での機能要望や実現したいことを進めることが目的でした。
でも実際に要望をあげても、どうしてもチームの機能開発要件の方が優先順位が高くなってしまう。名前的にもサブな印象がありますし、そもそもコミュニティはプロダクトオーナーに判断を委ねているわけではありません。
そこで、コミュニティに具体的な権限を持たせて、プロダクトオーナーの判断を経由させる機能を持たせた組織体が、チャプターということです。

中江:名前を変えて責任を定義すると、行動が変わる。面白いなと思いました。
ちゃんとアウトプットを出せているかはともかく、オーナーシップを持って動けていると感じています。

ひたすら赤裸々に、会社の状況を伝えるようにしている

――先ほど豊田さんがおっしゃっていた通り、ここまで伺った自律的なチーム運営のためには、圧倒的に自律的な個も前提になってくると思います。その辺りは、どのように醸成されているのでしょうか?

中江:ここは採用時点の話になると思うのですが、ひたすら赤裸々に会社の状況を伝えるようにしています。
あなたに対する期待値は何で、会社としてはこういう課題を抱えている。その解決方法を知っているわけではないので、一緒に考えていきましょう、と。現実と目標の差をしっかりと伝える。これに尽きると思っています。

豊田:あとは細かいところですが、Reproでは会社見学会をやっていまして、そこで見学者に、会社の改善点を提案してもらうことにしています。
この前見学にいらっしゃった方は「スクラムマスターは各チームにいるのが理想だよね」って提案していました。

――面白いですね!少し前の話になってしまうかもしれませんが、皆さまがReproにジョインされた時、ご自身の思っていたイメージとのギャップなんてありましたか?

中江:私の場合は5年前に入社して、メンバーもまだ10人に満たない状態だったので、今とは全然違っています。当時を思い出すと、イケイケの連中だなというのが第一印象で、何かを成し遂げるためにはなんでもやるぜ!という気概が半端ない雰囲気でした。
ここのベースは、人数が増えた今でも変わらないで続いているところだと感じます。

宮下:私が感じたのは、スタートアップの中ではかなり「品質」に力を入れているな、ということです。うちの場合は特にSDKを入れてもらうので、致命的なバグがあったら顧客のサービスに致命傷を与えかねないわけです。
だからこそ、サービスを絶対に落とさないというところにコミットして、コードの品質やテストに相当力を入れているんだと感じます。

――働きやすさの面ではいかがでしょうか?

豊田:個人批判の回避とトークストレートの文化は素晴らしいと思います。

宮下:トークストレートとは、言いたいことははっきり伝えるということです。たとえ社長に対してでも、意見があればしっかりと伝えることが文化としてあるわけです。

去年はチーム内、今年はチーム間で動ける組織になるのが目標

――皆さまの今後の目標について教えてください。

伊藤:Reproは創業当初からグローバル展開を前提にしていて、直近ではまず東南アジアNo.1へのミッションを掲げています。そんな壮大なプロジェクトへの参画機会って、そうそうないです。だからこそ最大限関わっていきたいし、楽しみたいと思っています。
その時々で「面白いな」と思ったことに対して、ためらわずにやっていきたいと思っています。

宮下:Reproの事業って、人類の進化に寄与するポテンシャルがとても高いと感じているんです。たとえばGoogleを考えてみても、サービスがある時とない時とでは、生活感がまるで違ってくると思います。
私自身、世の中に対してそういう形で寄与したいし、自分が持っている能力をそこに駆使していきたいと思っています。これから何をやるかわからないけれど、やれることはなんでもやりたいし、最終的にはグローバルで通用するサービスに育て上げていきたいです。

豊田:冒頭にお伝えした通り、僕の役割は「変化に柔軟に対応できる組織づくり」です。去年はチーム内で動けるようになることを目指して動いていきましたので、今年はチーム間で動けるような組織のあり方を目指していきます。

中江:そもそも論ですが、私自身はマーケティングに興味がないんですよ。それは、今のマーケティング活動は、スパムのようなメッセージやいらないクーポンで溢れているからです。
でもそれって、企業と受け手、どちらにとっても不幸な状態です。だからこそ、Reproの掲げるコミュニケーションの最適化ミッションは、僕自身のペインポイントにぴったりとフィットしています。
プロダクト改善は、この1年半をかけて進めてきて色々な成果が出てきていますが、そうはいっても、まだ弱いのも事実です。たとえば、課題が組織間に落ちちゃう問題が依然としてありますし、フィードバックと機能開発のサイクルスピードももっと上げていく必要があります。
だからこそ、豊田さんがおっしゃる「チーム間で動ける組織」がとても大事になってきます。
Reproには色々なキャラのメンバーがいて、それぞれが独自の強みを持っているからこそ、相互理解を促進し、その強みを活かせる組織をエンジニアリングマネージャーとして作っていきたいと思っています。

まずは一度、会社を見に来てほしい

――熱いメッセージをありがとうございました!最後に、読者へのメッセージを一言お願いします。

豊田:色々な会社を見てきた僕だからこそ言えることとして、Reproは、変化していきたい人には非常に向いている会社です。どんどん成長していきたい!という方はフィットすると思いますよ。

伊藤:変化に加えて、「これやりたい!」と言うことをはっきりと言うことができ、「気になったのでやっちゃいました、どうですか」のようにゴリッと前にすすめるエンジンを持ってる人に来てほしいと思います。

宮下:向上心が高すぎて、周りとのギャップに困っている人って、いると思うんですよ。勉強会とかに行くと、一定数いらっしゃいますよね。
そういう方で、グローバルを本気で目指したい人は、ぜひ一緒に働きましょう。

中江:まずは一度、会社を見に来てほしいです。課題だらけで、日々悩んでいるところをそのまま見てほしい。その上で一緒に戦ってくれる人に来てほしいです。
現場を見て一緒に戦っていきましょう!

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編集後記

2014年の創業以来、サービス導入社数はうなぎ上りで、ここまでの累計資金調達総額も約35億円と、まさにいけいけドンドンなスタートアップを体現するようなRepro。
その内側を垣間見てみると、実はとんでもなく地道でストイックなPDCAサイクルを、愚直に回している様子を感じ取ることができました。
魅力的なプロダクトは、魅力的なチームから生まれる。そして、魅力的なチームは一日にしてならず。マーケティングツールからカスタマーエンゲージメントプラットフォームへと脱皮した2020年に、グローバル展開を加速させるReproから、ますます目が離せません!

取材/文:長岡 武司
撮影:平舘 平

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